その全てを肯定しないと、前へ進めないかい。
 
 
 
 
 
【終わった】
今一度、君達に問う
【物語だけど】
 
 
 
 
 ・
 ・
 
69:通りすがりのモブ一号
ハッピーエンドて
 
70:通りすがりのモブ一号
もしかしてまだ解決しなかったのか!?
 
71:通りすがりのモブ一号
茶がまた何かやらかした?
 
72:通りすがりのモブ一号
JK監督は無事!?
 
73:通りすがりのモブ一号
おまいらヒートアップすんなって言われただろ
落ち着けって
 
74:通りすがりのモブ一号
>>73
ごめん
 
75:通りすがりのモブ一号
>>73
そうでした…
 
76:
監督を心配して下さるのは凄く嬉しいですよ、ありがとうございます
…ただ
 
皆さん、分かりませんかね
 
77:天M
茶さんは転校したわけじゃない
というか一般家庭の人ですからそうほいほい転校とか、もみ消しとか出来ない
 
…まあ桃さんとかO先生とか見てると感覚麻痺しそうになるのはわかるけど
(^_^;)
 
78:通りすがりのモブ一号
え、と
 
79:通りすがりのモブ一号
わかるようなわからないような
 
80:通りすがりのモブ一号
俺分かった気がする
つか自業自得じゃね
 
81:通りすがりのモブ一号
俺も
茶がみんなに仕返しされたんじゃないの?
 
82:
仕返しってなかなか都合が良い言葉ですよね
…やっていいことといけない事はあるでしょうに、いや
やっぱりそれじゃ無意味なんです
 
茶さんの周りでおかしな事が起こるようになりました
最初はひそひそした遠巻きな噂話
次には、なんかお弁当の中に七味を大量に入れられたり
クラスの中のカッコいい男子に寝顔にらくがきされたり
ノートにエッチな絵を山のように描かれたり
水筒の中身に醤油を入れられたり
まるで冗談みたいな悪戯が頻発したんです
いえ
もうここまで行くと悪戯じゃ済まないでしょう
茶さんが驚いたり泣いたりする度に、周りがギャグ漫画でも見てるみたいに大
笑いするわけですから
 
83:通りすがりのモブ一号
冗談みたいな悪戯て…
 
84:通りすがりのモブ一号
なんかくろちゃんの安価みたいだな
 
85:通りすがりのモブ一号
>>84
いやマジでそうかもしれないぞ
 
86:天M
>>85
ご名答
 
このスレを見てよ
 
つ【悪女】俺らのアイドルを助けろ!【制裁!】
 【ブス女】安価で天罰だぜえええ!【テラワロスwwww】
 【虐め】悪女を懲らしめるスレ【断固阻止!】
 【安価で】悪女ざまぁwwww【仕返しだ】
 
ざっくり見つけられたのはこのへんだけど、探せばもっとあるかも
調査班が調べたら、このへんみんな茶さんに安価で仕返しするスレだった
立てたのは茶さん達のクラスメート
 
87:通りすがりのモブ一号
 
88:通りすがりのモブ一号
…俺、その上から二番目のスレ、見たかもしんない
 
89:通りすがりのモブ一号
俺もなんか、見覚えが…
 
90:通りすがりのモブ一号
最近やたら流行ってた仕返し安価スレの一部…だよな
…白状する。書き込んだことあるわ…
 
91:
安価をしている人達は、ギャグ的なノリで、それこそちょっと悪い奴を懲らし
めてやろうな感じだったみたいです
悪意なんてない
ただ殆どの人はJK監督を助けたくて、イジメを笑い飛ばしてやりたくて、茶
さんが赦せなくて安価に参加してた
 
でもそのスレがこれだけの数乱立して
結果茶さんは毎日誰かの笑いものにされて
同じグループの子達も離れて、一人孤立していきました
 
92:天M
自業自得と言えばそれまで
お前がやった事に比べたら笑える悪戯だと言ったらそれまで
でも、本人がそれで傷ついたら、それはもうイジメだと思う
俺達、JK監督さんを助ければそれで終わりで、その先のことなんか全然考え
て無かったんだ
 
93:
元々、JK監督は女子にもわりと人気な人で
その反面、茶さんは好き嫌いの別れるタイプだったみたいです
結果、クラスメートがみんな茶さんの敵になるまで時間はかからなかった
 
…そんな現状が続いて最初に何か変だって気付いたのはJK監督で
みんなを止めたのもJK監督でした
 
94:通りすがりのモブ一号
優しすぎるだろJK監督…!だってイジメられた相手だろ!?
 
95:通りすがりのモブ一号
でも確かに…安価ってやりすぎると、イジメになるかも
 
96:通りすがりのモブ一号
>>95
何言ってんだよこの程度イジメじゃないだろ
そもそも悪いのは茶だし
こんなん笑える仕返しだろうが
 
97:通りすがりのモブ一号
そうかなあ…
 
98:通りすがりのモブ一号
てか茶は、JK監督に謝ったのか?
 
99:
>>99
謝ってません、この時点では、ですが。
この時は多分茶さんも何も反省してなかったと思います
 
でもだからこそ
このままじゃいけないと、JK監督は思ったし…後で僕らも気付かされました
 
100:通りすがりのモブ一号
そりゃあちゃんと謝らせるべきだもんな
 
101:通りすがりのモブ一号
納得
 
102:通りすがりのモブ一号
>>100103
待ちなよ
お兄さんの個人的な意見だけど
黒君達が言ってるのは単に謝るとか謝らないとか、そういう事じゃないんじゃ
ないかな
 
謝ってないからこそより助けるべきだった、違う?
 
103:通りすがりのモブ一号
??
 
104:通りすがりのモブ一号
訳わからん
説明しろよ102
 
105:通りすがりの>>102
ん〜分からないかな
もしこのまま茶が転校なりなんなりで消えたとするじゃない?
反省してないわけだからまた同じこと繰り返すよね。それじゃ意味ないでしょ
 
悪い事したなら、悪いことしたんだってちゃんと分からせて、反省させて、恐
怖政治じゃなくて…理性で。もう二度とさせないようにしないと
これじゃただイジメをイジメでやり返しただけで、結局みんなも悪者じゃない
ちょっと気分が悪いな、とお兄さんは思うわけです。終わり。
 
106:通りすがりのモブ一号
…一理あるかもしんない
 
107:通りすがりのモブ一号
確かに、茶は許せないけど、そいつがいなくなった先でまたイジメをやったり
したら意味ない…よな
 
108:通りすがりのモブ一号
はげどう…
 
109:天M
102さんありがとうございます
俺達、そういう意見を待ってたんだ
…俺達間違ってたんだよ
力に、力でやり返したら俺達だって加害者になっちゃうんだ
 
…っていうか
E監督が帰ってきて、叱られたんだよね。
暴力振るってこっちは都合良くもみ消したわけだし、いくらなんでもやり方が
卑怯だって
 
110:通りすがりのモブ一号
E監督が…
 
111:通りすがりのモブ一号
…あの人が一番よく分かってそうな気がする
あの人の経歴調べたけど、中学以降ほんと波瀾万丈じゃん
辛い事たくさんあって、学んで学んで、大人になったんだろうなって感じだ
 
112:通りすがりのモブ一号
分からなくはないけどなんかモヤモヤする
イジメって最初に始めた奴が圧倒的に悪いんじゃん
やり返されたって文句言えないだろ
 
113:通りすがりのモブ一号
すごく微妙なかんじ…
 
114:
最初はJK監督自ら、茶さんと話をしようとしたみたいです
でもJK監督も結構頭に血が上りやすい人だから上手くいかなくて
 
クラスメートの眼がない体育館に引っ張ってきたはいいけど、正直僕達も顔も
見たくない人でしたし
 
その時ですよ。E監督がうちの学校来たのは
 
115:通りすがりのモブ一号
!?
 
 
 
***
 
 
 
 ただ、好きだった。
 好きだという気持ちに、罪は無い筈だ。
 
「………」
 
 少女は深く、溜め息を吐いた。何もかも上手くいかない。何故自分がここま
で責められるかも分からない。いや、何一つ分からないとまで言うつもりは無
いのだけれど。
 彼の事が、去年からずっと好きだった。運動音痴で、あまり器用でない自覚
はある。本当ならテニス部のマネージャーにでもなって、すぐ近くで彼を助け
られたらとは思ったけれど。出来もしない事を無理にやったって迷惑がかかる
だけだ。他の部員達にも悪い。
 だからせめて。ほんの少しでも気がついて貰えるように、気にかけて貰える
ように。差し入れをしたり、応援で声を張り上げたり。今はただそれだけで充
分だった。その瞬間ちょっとだけでも彼が微笑みかけてくれるなら、それで満
足だと。
 そう、満足していた筈なのだけど。
 
『相田リコに告白して、振られたって話聞いた?』
 
 同じグループの子が、自分にそう情報を伝えてきた。
 
『彼…結構マジだったみたい。かなり落ち込んでるって。なんであんなガリガ
リで気だけ強い女がいいの。きっと騙されてるのよ。可哀想に』
 
 見目良い男達をバスケ部監督として率いて、いつも堂々している相田リコ。
正直あまり良いイメージは無かった。きっと、男子をへいこらさせていい気に
なってるだけだと、同グループの友人がそう言っていたのもある。
 けれどそれまでは、別に彼女に対し何かをしようというつもりは無かったの
だ。関わり合いになるのも面倒だった。そう、相田リコのせいで彼が傷ついた
と聴くまでは。
 
――どうして!どうして!どうして!…あの人を見もしない彼女なんかを…ど
うして!
 
 自分なら、彼だけを見れる。愛せる。ずっと側にいる。傷つけたりなんかし
ない。絶対にもっともっと可愛くなって、きっと彼を振り向かせてやると意気
込んでいたのに。彼には別に好きな人がいて、あまつさえ振られるなんて。
 どうしても彼が自分を見てくれないなら。それで諦められるとは思わないけ
ど、せめて――彼に笑っていて欲しかったのに。そうしたらきっと正面きって
自分も戦いを挑めたのに。
 相田リコは彼を傷つけるだけ傷つけてそれきりだと言うではないか。妬まし
くて、恨めしかった。彼が受けた苦痛の一部でも思い知らせてやらなければ気
が済まない。これは正当な“制裁”で“報復”ではないか。
 
「茶木さん」
 
 それが何故認められない。何故こうなる。少女は目の前に立つリコを睨みつ
けると、その腕を振り払った。
 
「同情のつもり?何様よ偽善者!なんで体育館になんか連れてきたの?みんな
であたしを吊し上げにでもするつもり!?
 
 ちゃーちゃんの方が絶対美人だし、彼に相応しいわよ。仲間達はみんなそう
言って自分の味方をしてくれた筈だった。実際少女の容姿を誉める友達やボー
イフレンドは過去にもいた。それで少女はほんの少し自分に自信を持てるよう
になったし、ほんの少し人の前を歩けるようになったのだ。
 自分は可愛いのだ。胸を張ればいい。自信を持ってみんなを引っ張ればみん
なついて来てくれる。選ばれた自分に、自分に。
 なのに。彼女達は少女の旗色が悪くなると見るやいなや、波が引くように去
っていってしまった。何故だ。何故自分の正当な報復が悪とされ、彼等がする
馬鹿らしくも酷い真似は正義になるのか。
 理解でいない。理解したくもない。
 
「あんたもどうせ!あたしの事影で笑ってんでしょ!?味方が多くて良かったわ
ね、女王様!なんであたしだけ責められんの意味わかんない!あたしは悪くな
い!」
 
 何もかも、もうどうでもいい。
 みんな嫌いだ。大嫌いだ。
 
「…やっぱりここにいたのか」
 
 その時だった。扉が開き、来訪者が現れたのは。振り向いた少女の眼に映っ
たのは、鮮やかな橙のバンダナだった。
 
 
 
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