それを羨んではならないことは、 わかっていた。
【キセキファン】 彼らが魔女に浚われた ・第一夜・15 【力を貸して】
・ ・ ・
42:ねぇあたし、トイレの名無しさん い
43:ねぇあたし、トイレの名無しさん 今なんつった鷹
44:ねぇあたし、トイレの名無しさん 真ちゃんいないの…っておい! まさか緑間いなくなったのか!?
45:ねぇあたし、トイレの名無しさん もうやだ何それ
46:鷹 真ちゃんががいた用具入れ前には、さっきのまま黒子の遺体が寝かせてあるだ け 真ちゃんの姿がないよなんでなんで
47:ねぇあたし、トイレの名無しさん お、落ち着け!
48:赤 鷹、パニックになるな 玄関ホールにいた僕達は何も見ていない、ならまだ二階のどこかにいる可能性 が高い
何か変わったところはないか?
49:鷹 なにあれ
50:ねぇあたし、トイレの名無しさん え
51:ねぇあたし、トイレの名無しさん ど、どうしたんだよ
52:鷹 日主将がみつけた 左廊下の奥から二番目の部屋のドア
うそだ、さっき来た時あんなのなかった なんでドアに真っ赤な魔法陣が
53:ねぇあたし、トイレの名無しさん
54:ねぇあたし、トイレの名無しさん
55:ねぇあたし、トイレの名無しさん
56:ねぇあたし、トイレの名無しさん
57:ねぇあたし、トイレの名無しさん
58:ねぇあたし、トイレの名無しさん もう勘弁…!ほんと勘弁してくれよ…!
59:赤 明らかに何かある
気味が悪いと思うが三人とも気をつけてそのドアを調べろ 魔法陣ってどんな感じだ
60:鷹 >>赤 うまく説明できないけど真っ赤な血みたいな塗料でドア一面に書かれてる…や だまだ乾いてないじゃん
ノックしたけど音沙汰なし 鍵かかってる
うわ青峰ドアに体当たりし始めた! ちょ、塗料ついちゃうのもおかまいなしか!
61:ねぇあたし、トイレの名無しさん 兄貴相変わらずのアグレッシブぶりや…!
62:ねぇあたし、トイレの名無しさん だ、大丈夫なのか入って?
63:ねぇあたし、トイレの名無しさん >>62 手がかりがあるなら入るしかないだろが! もしかしたら中に誰か閉じ込められてるかもしれないんだぞ!
64:ねぇあたし、トイレの名無しさん うう…気をつけろよ鷹…
65:鷹 俺と青峰と日主将が体当たりしたらドア壊れた うわ、中暗っ
なにこ う
66:ねぇあたし、トイレの名無しさん 嫌な予感しかしない…
67:ねぇあたし、トイレの名無しさん つかもうこのスレ自体に嫌な予感しか漂ってねぇよ…
68:ねぇあたし、トイレの名無しさん 王道パターンじゃ大抵中で誰かが閉じ込められてたり死んだりしてんだけど どうなんだよ
69:ねぇあたし、トイレの名無しさん 生きてますように…生きてますように…!
70:ねぇあたし、トイレの名無しさん 鷹!頼む返事を…!
71:鷹 月さんいた
殺されてる
72:ねぇあたし、トイレの名無しさん
73:ねぇあたし、トイレの名無しさん
74:ねぇあたし、トイレの名無しさん
75:ねぇあたし、トイレの名無しさん もういやああああああ!
76:ねぇあたし、トイレの名無しさん いやだぁ
77:鷹 日主将凄い取り乱してる 月さんの胸に、黄や黒と同じようにナイフ刺さってて 日主将月さんに縋ってる泣き叫んでる
なにこれ ねえなにこれ
78:ねぇあたし、トイレの名無しさん 鷹…
79:ねぇあたし、トイレの名無しさん ずっと行方不明だったから…月はどっかで生きてるんじゃないかって期待して たんだけど
80:ねぇあたし、トイレの名無しさん 望みが… つかごめん、俺心のどっかで月先輩か紫が犯人じゃないかって疑ってた
81:ねぇあたし、トイレの名無しさん >>80 行方不明だったもんな…少なくとも月先輩犯人じゃなかったってことだよ…
82:ねぇあたし、トイレの名無しさん でも遺体はいつの間にそこに現れたんだ?さっき緑が黒を探し回った時その部 屋に月の遺体はなかったんだろ? それに肝心の緑はどこに消えたんだ?
83:赤 …鷹、窓はの鍵は開いてるか? あとその部屋って確か抜け道のある部屋じゃなかったよな?
84:鷹 窓の鍵はしまってる それがなんだよ、一階への抜け道があんのは隣の部屋だぞ
85:赤 日主将宥めて青峰と一緒に一度戻ってこい ここまで来たらあとは全員で一緒にいるべきだ それに二階にいるのは危ない気がする
緑間を探すのは頭を冷やしてからだ
86:ねぇあたし、トイレの名無しさん 窓に鍵?おいおいちょっと待った、待った
87:ねぇあたし、トイレの名無しさん まさかここまで王道貫くかよ
88:ねぇあたし、トイレの名無しさん え?俺わけわかんないんだけどどういうこと?
89:E監督 >>88 二階のドアは内側から鍵がかけられたら、外から開ける手段なんかないんだよ だって誰も鍵なんか持ってないんだから 開けるには青峰がやったみたいにブチ破るしかない
そして窓には鍵がかかってた ドアも窓も外から鍵なんかかけられない
これは密室殺人だ
90:ねぇあたし、トイレの名無しさん み
91:ねぇあたし、トイレの名無しさん んなアホな
92:ねぇあたし、トイレの名無しさん 密室て え密室ってなんだよ!?
93:ねぇあたし、トイレの名無しさん んなのラノベの中だけで充分だっつの…!
94:E監督 だが実際、鍵がかかった部屋で月は殺されていたんだろ もしマスターキーのようなものがあってそれが部屋に落ちてたってならまだ簡 単だった 部屋に踏み込んだ犯人がみんなの隙を見て鍵を落とせばそれで密室完成だから な
95:ねぇあたし、トイレの名無しさん でも実際、外からかけられる鍵なんて存在しない…
96:ねぇあたし、トイレの名無しさん つまり内側から鍵をかけたとしか思えないってこと…か?
97:ねぇあたし、トイレの名無しさん え、ありえないんだけど ここにきて有り得ないんだけどおおお!?
98:赤 >>97 いや、何か部屋に仕掛けがあったかもしれない それに月さんが自殺だった可能性もゼロじゃない
みんなが落ち着いてきたら、もう一度調べに行こうと思う
ほんと、ここまでコケにされたのは初めてだよ 相手が誰だろうが関係ない 僕の仲間を傷つける奴は魔女でも殺す
99:ねぇあたし、トイレの名無しさん 赤様…!
100:ねぇあたし、トイレの名無しさん よし!>>100なら赤様は魔女に勝つ!
101:ねぇあたし、トイレの名無しさん >>101ならもう誰も死なない!
102:ねぇあたし、トイレの名無しさん >>102ならみんな一緒に生きて帰る!
103:ねぇあたし、トイレの名無しさん >>103ならE監督と赤様で事件解決!
104:ねぇあたし、トイレの名無しさん >>100−103 おまいらナイス!
105:ねぇあたし、トイレの名無しさん ぐっじょぶ!
106:100 願掛けはしたぞ赤様!諦めちゃ駄目だ、人事を尽くせ! 緑間ならきっとそう言う!
107:ねぇあたし、トイレの名無しさん >>106 はげどうって奴挙手!
108:ねぇあたし、トイレの名無しさん ノ
109:騎士K ノシ
110:ねぇあたし、トイレの名無しさん ノ
111:ねぇあたし、トイレの名無しさん ノ
112:天M ノ
113:ねぇあたし、トイレの名無しさん ノシ
114:E監督 ノシ
115:ねぇあたし、トイレの名無しさん ノ
116:ねぇあたし、トイレの名無しさん ノ
117:ねぇあたし、トイレの名無しさん ノ
118:ねぇあたし、トイレの名無しさん おお天Mと騎士KとE監督も!
119:騎士K 赤司さん、諦めないで下さい 俺達も絶対諦めません、本は必ず手に入れてみせますから…!
120:ねぇあたし、トイレの名無しさん かっけぇ…騎士かっけぇよ
121:ねぇあたし、トイレの名無しさん そうだ、キセキファンクラブの俺らが諦めてなるもんか! 赤司様、俺らも無い知恵振り絞ります 必ず魔女を捕まえて下さい!
122:赤司 みんなありがとう 今玄関ホールに全員集まっている まだ泣いてる者もいるが、少しは落ち着いてきたみたいだ
113:鷹 みんな心配かけてごめん 俺まだ真ちゃんは生きてるって信じる
待ってて真ちゃん、必ず助けるからね 今か
114:ねぇあたし、トイレの名無しさん 鷹!?
115:ねぇあたし、トイレの名無しさん おいどうしたんだよ!?
116:ねぇあたし、トイレの名無しさん 途中送信とかやめろって
117:ねぇあたし、トイレの名無しさん 鷹ああああっ!?
(以下、しばらくスレ民の悲鳴が続く)
***
突然のことだった。玄関ホールの明かりが落ち、あたりが真っ暗になったの は。 否玄関ホールだけではない。二階の照明も消えているようだ。窓のない玄関 ホールは文字通り真っ暗だった。あちこちで悲鳴が上がる。この状況でパニッ クになるなというのが無理な話だ。
「みんな落ち着け!焦るな!」
それでも赤司は声を張り上げる。しかし、悲鳴は大きくなるばかりで届かな い。他にも日主将や青峰らしき声が聞こえたが、もはや結局誰がどう喋ってい るのかも怪しい。
「ぐっ…!」
誰かにぶつかり、ぶつかられ。足がもつれて転ぶ赤司。普段ならこんな無様 なありさまを晒したりはしない。しかし、頼みの天帝の眼もこの暗がりの中で は使いようがなかった。おまけに転んだ拍子に携帯まで落としてしまうのだか ら最悪である。 なんとかしなくては。玄関ホールだけではなく二階の明かりも落ちてること から察するに、ブレーカーを落とされたとみてほぼ間違いない。二階に上がら なければ復旧も無理だ。 段々と目が慣れてきた。ちらちらと目の前をよぎる小さな光がある。何だろ う。ぼんやりとした、やけに人工的な光だが−−携帯ほど強烈なものではない。
「なにこれ…なにこれぇ…」
女の子の泣く声がする。リコだろう。皆も段々と眼が慣れてきたようだ。ま ずは懐中電灯代わりの携帯を拾わなくては。
−−あれだ!
床に転がっている四角い機械。ディスプレイの光は既に消えてしまっていた が、赤司は自らの勘を信じて手を伸ばした。 思い切って開く。途端空間を切り裂く眩しい光。よくよく考えれば繋がらな いメンバーの携帯も光源代わりくらいにはなる筈だったが、どうやら皆それを 失念しているらしい。
「よし、これで…」
なんとかなる、と。そう言い掛けて、赤司は固まった。画面にぬるりとした 何かがついている。黒−−いや、赤。よく考えれば携帯だけじゃない。赤司の 手そのものが、謎の液体でべたついていた。 まさか。そんなまさか。赤司は光を皆の方へ向け−−絶句する。 暗がりの中。誰かが床に、倒れていた。
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悲しくないように。