僕の足で歩くんだ。
 例え、此の身が歪んでいても。
 
 
 
 
 
【キセキファン】
彼らが魔女に浚われた
・第一夜・2
【力を貸して】
 
 
 
 
 
 
730:ねぇあたし、トイレの名無しさん
まぁ本当に不自然かは微妙なんだけどな
日主将だってあんま冷静じゃなかっただろうし
単に“顔洗う場所”として風呂場よりキッチンが先に思い浮かんだだけかもし
れないし
 
731:ねぇあたし、トイレの名無しさん
どうだろ…
 
732:
これは根拠も薄い仮定なんだけど
キッチンのある一階左廊下には当然食堂もある食堂の奥には二階への抜け道が
あるだろう?
それを調べてみたかったんじゃないかな
 
733:ねぇあたし、トイレの名無しさん
あ、そっか
左廊下だもんな
 
734:ねぇあたし、トイレの名無しさん
今思ったんだけど
一階と二階は何度も探したのに紫原は見つからなかっただろ
この暖炉のハシゴにさ、ずっと紫原がしがみついて隠れてたってのは…無理
か?
 
735:ねぇあたし、トイレの名無しさん
まあ確かに…最初に緑間と黒子と火で探索してそれっきりだもんな
しかも通路を覗いたのは黒子だけっぽいし
 
736:ねぇあたし、トイレの名無しさん
でもいくら暗くても、紫原みたいなデカい奴が隠れてたら見つかりそうなもん
だけどなぁ…
 
737:ねぇあたし、トイレの名無しさん
それに八時前からゲーム始まっててもうすぐ零時だぞ
その間ずっとしがみついてるとか無茶すぎんだろ
 
738:E監督
いや…735の考えはいい線行ってるかもしれない
ずっとしがみついてるのはさすがに俺も無理だとは思うけど
黒子から避ける方法はある
黒子も共犯だった場合だ
 
739:ねぇあたし、トイレの名無しさん
 
740:
ちょ…待ってくれ!
テツを疑ってんのかよ
あいつ殺されてんだぞ!?
 
741:ねぇあたし、トイレの名無しさん
お、落ち着け青
 
742:ねぇあたし、トイレの名無しさん
まあ死んだ人間疑うなんて気分悪いけど…
 
743:ねぇあたし、トイレの名無しさん
E監督の言うこと、わからなくはないよな…
 
744:E監督
まだ赤で“黒子は他殺である”とは言われてないんだ
つまり自殺だった可能性がゼロじゃない
 
緑間の目を盗んで自分で用具入れに入ってナイフを突き立てて自殺した
背中ならともかくナイフは胸に刺さってたんだ、自殺は不可能じゃない
 
745:
ただ、黒子が死んだ後も殺人は続いてるから、黒子が犯人一味だった場合やっ
ぱり共犯は不可欠なんだけどね
 
746:まとめ班
話を戻そう、まとめの続きだ
キッチンに言った日主将とJK監督が戻ってこないから、青峰が不安になって
飛び出してったんだよな?
それを赤司と火が遅れておいかけて、そしたら書庫の入口でへたりこんでる青
峰を発見
 
中で本棚の下敷きになっている日とJKを見つけた
間違いないか
 
747:
ああ、間違い
キッチンにあいつらいなくて、廊下にもいなくて
書庫を探したら見つけちまったんだ
 
748:ねぇあたし、トイレの名無しさん
おふ…
 
749:ねぇあたし、トイレの名無しさん
本棚の下敷き…
 
750:
棚が倒れまくってて苦労したけど
今青と火に協力してもらってなんとか二人を調べることができた
 
やっぱり死んでるのは間違いないよ
他の二人と同じようにナイフが刺さって即死っぽい
 
ただ問題は、なんで本棚が倒れてたかわからないってことなんだけど
 
751:ねぇあたし、トイレの名無しさん
二人と犯人が取っ組み合いしたからじゃないか…?
 
752:ねぇあたし、トイレの名無しさん
あるいは何かを隠す為に、犯人が倒した可能性もあるよな
 
753:ねぇあたし、トイレの名無しさん
書庫で本棚が倒れたりしても、玄関ホールの赤司達には聞こえないんだよな?
 
754:
>>753
聞こえないだろうね
だから気付くのが遅れたんだけど
 
正直僕は、二人がそのまま僕達から逃げて籠城してもおかしくないと思ってた
んだ
だって彼ら以外に生きてる人間は僕と火と青(例のごとく紫は謎だけど)
鷹が殺された状況を鑑みるに、この中に犯人がいると思われても仕方ない
日主将はなにがなんでもJK監督を守りたかっただろうしね
 
755:ねぇあたし、トイレの名無しさん
日主将…男前だったもんな…
 
756:ねぇあたし、トイレの名無しさん
悲しい…
 
757:ねぇあたし、トイレの名無しさん
うう…
 
758:まとめ班
と…日主将とJK監督の遺体を見つけて玄関ホールに戻ってきて…
その後二階からボールが落ちてくる→二階左廊下奥の部屋で緑間の遺体を発
見、今に至るわけか
何かここで疑問点あるか?
 
759:ねぇあたし、トイレの名無しさん
まとめ乙〜!
 
760:ねぇあたし、トイレの名無しさん
疑問点といえば
俺はやっぱり紫原の行方が気になるなぁ
 
761:ねぇあたし、トイレの名無しさん
あと日主将とJK監督が何でキッチンに行ったのか、食堂の抜け道調べたかっ
たからなのか
なんで本棚倒れてたのか
 
762:ねぇあたし、トイレの名無しさん
黒子がいつ誰に殺されたかも気になるよな
緑間が犯人じゃないなら緑間の目を盗んで…なわけだろ
 
763:ねぇあたし、トイレの名無しさん
あとは月先輩が殺された時の密室トリックか
 
764:E監督
挙げ出すとキリなさそうだな…
もう少し手がかりが欲しいとこだけど
俺個人としては緑間のテーピングが解かれてたのは結構気になってるかな
せめてもう少し時間があればな…
 
765:
僕個人としては非常に嫌な考えなんですけど
紫原の行方が分からない限り…紫原にアリバイらしいアリバイは全く無いこと
になります
紫原犯人説を覆せない
…友人としてはそんなことないって信じたいんだけど
 
766:ねぇあたし、トイレの名無しさん
紫原…仮に生きてたとしてだ。
本当にずっと同じ場所に隠れてるのは、やっぱり不可能なんじゃないか?
いや…移動繰り返しても難しくないか?
 
767:ねぇあたし、トイレの名無しさん
どういうことだ766
 
768:ねぇあたし、トイレの>>766
だってさ、みんな集団で二階探したり一階探したりと忙しなかったじゃんか
二階と一階を行き来することなら、食堂の抜け道を使えばできるけど
タイミング外すと、抜け道から出てきたところで誰かに出くわしかねないじゃ
んか
 
相当運がないと…無理じゃね?
隠れてる場所に誰かが近付いてきたら一発でアウトだし
 
769:
じゃあ紫原は結局どこ行ったんだよ?
なんで影も形も見えな
 
770:ねぇあたし、トイレの名無しさん
ちょ
 
771:ねぇあたし、トイレの名無しさん
おいなんだよ
中途半端で送信してんなよ
 
772:ねぇあたし、トイレの名無しさん
まさかまた襲われたとか言うんじゃ
 
773:ねぇあたし、トイレの名無しさん
襲われたって誰にだよ!生き残ってる奴は全員玄関ホールにいんだぞ!
 
774:ねぇあたし、トイレの名無しさん
むっくん…?いやでもそんな
 
775:
なってる
はしらどけい
 
じゅうにじ
 
776:ねぇあたし、トイレの名無しさん
まさかまさかまさか
 
777:ねぇあたし、トイレの名無しさん
タイムリミット!?
 
778:
あつい
なんだこれは
 
779:ねぇあたし、トイレの名無しさん
赤様あああああ!?
 
780:ねぇあたし、トイレの名無しさん
これにて閉幕
 
781:ねぇあたし、トイレの名無しさん
なにがあったんですかあああっ!?
 
782:E監督
どうした!?返事しろ赤司!青峰!
 
783:ねぇあたし、トイレの名無しさん
つか780なんだよ閉幕って
 
784:ねぇあたし、トイレの名無しさん
ちょっと待った
780のIDなんで表示されてないんだ…?
 
785:ねぇdg.たr、J2の名無m@aん
これにて第一夜閉幕
零時のタイムリミットにて事件は終わり
探偵は事件を解決できないまま
生贄に捧げられました
 
【犯人は人間に化けた魔女である。】
【この洋館のいる人数は十一人以下である。】
【魔女は人間のトリックと力で犯行を行う。
装飾された幻想の裏側に真実はある。】
【十一人全員生きた状態で、誰か一人でも屋敷の外に出たのは
一階探索時の赤司、青峰、高尾。
及び黄瀬の遺体を発見した時のみである】
 
【遺体として外に出たのは黄瀬涼太のみである】
【一番最初の犠牲者は黄瀬涼太ではない】
【伊月俊は他殺である】
【緑間真太郎は黒子テツヤを殺していない】
 
【零時にて全ての夜は幕切れとなる】
【午前零時を過ぎた時点で、屋敷内で生き残っていた人間はいない。
午前零時まで生き残っていたのは赤司、青峰、火神の三人のみである。
他の人間はそれ以前に死亡している】
 
十一人を殺すあたしは魔女
あたしはだぁれ?だぁれ?きゃははははははははははははははははははははは
ははははははひひひひははひはは
 
786:ねぇあたし、トイレの名無しさん
も、文字が…赤…
 
787:ねぇあたし、トイレの名無しさん
うわあああああああっ!
 
 
 
 ***
 
 
 
 燃えてゆく。
 何もかもが燃えてゆく。
 柱時計が零時の鐘を鳴らす中、火神は呆然と床に座り込んでいた。何が起き
たのか自分にもよく分からない。ただ気付いた瞬間、玄関ホールは−−否、屋
敷そのものが、紅蓮の焔に包まれていた。
 
「青…峰…」
 
 火神の目の前で焔に飲み込まれた青峰は、うつ伏せたまま動かない。痙攣も
絶叫も、全てが消えて久しい。
 
「赤…司…」
 
 煙に巻かれて咳き込んでいた赤司は、ぐったりと壁に寄りかかったまま頭を
垂れていた。もう呼吸の音さえ聞こえない。火神自身、視界と意識が霞み、も
う思考を纏めることさえ難しくなっている。
 
「認めなさい、あたしの魔法を」
 
 焔の中心に立つ、真っ赤なドレスの女。彼女がスペルを呟く度、ソファーは
焼け水槽の水は蒸発し鋼鉄製の鎧さえ溶けてゆく。絨毯、電話、壁、柱時計、
丸テーブル。みんなみんな、焔の中に食い尽くされてゆく。
 
「知りなさい。魔女こそ思考の存在。お前達人間より遥かに高位であり、お前
達を隷属させる存在なのよ!ふふふきゃはははははははは」
 
 魔女−−アルルネシア。
 そんなはずない、と火神は心の中で呟く。魔女なんて。魔女が皆を魔法で殺
したなんてそんなはずがない。
 ではこの焔は、熱さはなんだ。もう自分三人しか生き残っていないというな
ら、一体誰が自分達を殺す?
 
「ふふ、可愛いぼうや。認めて屈してしまえば楽になれるわよ?」
 
 ドレス姿の魔女は、ニヤニヤと笑いながら火神を見る。ふざけるな、誰がお
前なんかに負けてなるものか。そう叫ぼうとしたが、もう焼けたの喉が音を出
してくれることはなく。
 焔に包まれ、火神は断末魔の悲鳴を挙げた。眼球が焼け、皮膚が爛れ、髪が
燃え、意識が思考が感情が灰になってゆく。
 ああ。
 あついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあ
ついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあつい
あついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあつ
いあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあ
ついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあつい
あついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあつ
いあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあ
ついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあつい
 
 
 
 だれか
 
 
 
 たすけ
 
 
 
 
 
 
 
ぷつん。
 
 
 
NEXT
 

 

さあ贖いなさい、罪を。