下を向いて
悔やむばかりの時間は終わりだ。
 
 
 
 
 
【キセキファン】
彼らが魔女に浚われた
・第二夜・17
【力を貸して】
 
 
 
 
 
 
252:ねぇあたし、トイレの名無しさん
死ぬ…
 
253:ねぇあたし、トイレの名無しさん
零時に全員死ぬ…はもう赤で宣言されてるもんな…
 
254:ねぇあたし、トイレの名無しさん
正直俺、この“全員死ぬ”も意味わからないんだけど
なんでそうなるんだよ?
つかどうやって零時に一気に全員殺すってんだ?
 
255:ねぇあたし、トイレの名無しさん
時限爆弾で全部ぶっ飛ばすとか?
 
256:ねぇあたし、トイレの名無しさん
>>255
いやどこにそんなフラグあったよ
そもそも第一夜も第二夜も屋敷中探したんだぞ
爆弾なんかあって赤様が見逃すかよ
 
257:
>>256
その通りだ
爆弾なんかあったら僕が気付かないはずがない
そしてフラグなしの全員抹殺なんてのもあってはならないんだ
 
【ノックス第八条
 提示されない手掛かりでの解決を禁ず】
 
これに抵触してくるからね
ちなみに未知の薬品や複雑難解な機械なんてのも無いはずだ
 
【ノックス第四条
 未知の薬物、及び、難解な科学装置の使用を禁ず】
 
 
258:ねぇあたし、トイレの名無しさん
つまり、どっかに全滅フラグがあったってことか?
 
259:ねぇあたし、トイレの名無しさん
え…俺記憶にないんだけど
 
260:
実はもうこれについては見当がついてる
第二夜のスレにヒントは無かったかもしれない
気になる人は第一夜のスレを探してみて欲しい
 
261:ねぇあたし、トイレの名無しさん
おおお!
 
262:ねぇあたし、トイレの名無しさん
さすがは赤様!旧スレに特攻して参ります!
 
263:ねぇあたし、トイレの名無しさん
突撃じゃ皆の衆ううううっ!
 
261:ねぇあたし、トイレの名無しさん
ちなみに赤様、それはフラグがあって尚且つ魔法みたいな超常現象じゃないけ
みんなが一度に死んじゃう原因になるんですよね?
 
262:
>>261
そうだね
多分第一夜で僕と青と火はみんな焼け死んだんじゃないかな
それこそ幻想描写の中でアルルネシアに魔法の力で焼き殺されたのと同じよう
にね
 
263:ねぇあたし、トイレの名無しさん
なにそれこわい…
 
264:ねぇあたし、トイレの名無しさん
焼死ってさ…煙で死ねないとすんごい痛くて苦しいんだよな…
 
265:ねぇあたし、トイレの名無しさん
おいやめろって264
 
266:E監督
俺もわかったぞ赤
確かにフラグは立ってたな、随分前だからすっかり忘れてたけど
 
あともう一つわかったぞ
これはスレにいるみんなも気付いてると思う
第一夜で、紫原が何故どこを探しても見つからなかったか、だ
 
267:ねぇあたし、トイレの名無しさん
そういやそれもずっと謎だったよな
 
268:ねぇあたし、トイレの名無しさん
確か赤だと…第一夜で誰かが外に出たのは黄瀬に駆け寄った時だけで
遺体で外に出たのは黄瀬だけ
つまり紫原は外に出てないから屋敷の中にいる筈なのに、探しても探しても見
つからなかったっていう
 
269:聖先輩@フラグ
実はこれも、最初の方でヒント出てたんだよ
みんな一階も二階も隅々まで探したけど
一カ所だけ探すのすっかり忘れてた場所があったんだよな
 
どこだと思う?
 
270:ねぇあたし、トイレの名無しさん
どこって
 
271:ねぇあたし、トイレの名無しさん
 
272:ねぇあたし、トイレの名無しさん
ヒント→第二夜で日主将が見つかった場所
 
273:ねぇあたし、トイレの名無しさん
>>272
節子それヒントちゃう、モロ答えや…
 
271:
僕もそれは気付いてた
だが、気付いたのが日主将の件があってからだ…くそ、なんで第一夜の段階で
気付けなかったんだ
屋敷の構造なんて一番最初に言及してたのに
 
272:E監督
今更それを悔やんでも仕方ないよ赤
それより、まだ解けてない謎は山ほどある
第一夜の月先輩殺害の密室トリック
第二夜の火と黒子殺害の密室トリック
 
それと、一番嫌な予感がするのが第二夜の鷹殺しだ
何かとんでもない罠が張られてる気がしてならない
 
273:ねぇあたし、トイレの名無しさん
とんでもない罠?
 
274:ねぇあたし、トイレの名無しさん
別に、鷹を殺せた人間って半分くらいいそうな気がするし
罠も何もない気がするけどな
 
275:ねぇあたし、トイレの名無しさん
赤の監視下にいたJK監督と、右廊下ゾーンにいた黄瀬と紫原以外全員容疑者
じゃね?って気がするよな
火と黒だってそん時まだ生きてて鷹を殺した可能性ゼロじゃないし
玄関ホール組が結託してるかもしれないし
抜け道通ってた青大将なんか完全フリーだろ
 
276:ねぇあたし、トイレの名無しさん
だよなー
 
277:E監督
いや…俺の気のせいかもしれない
あまり気にしないでくれ
 
考えることが多すぎるな…
とりあえず、赤司。犯人の目星はつけたか?
 
278:
>>E監督
一応は
ただ、穴の多い推理なので当たってるかが怪しいです
加えて、第二夜についてはさっぱり見当がついてません
 
279:ねぇあたし、トイレの名無しさん
赤様でも悩むのか…
 
280:ねぇあたし、トイレの名無しさん
まあそう簡単に解けたら苦労はない、よな
 
281:ねぇあたし、トイレの名無しさん
一応ミステリーの筋通そうとしてんだもんなぁ…
 
282:聖先輩@推理なう
それでもいい、赤司
当てずっぽうの推理でいいから、アルルネシアにぶつけろ
《青き真実》だ、こいつを打ち破るには奴とて赤を使うしかない
青を使いまくって奴から出来うる限り赤を引き出すんだ、お前ならできる!
 
283:E監督
俺らが来るまで持ちこたえるんだ、わかったな!?
 
284:
了解です
もしかしたらE監督の出番はないかもしれませんよ?
 
285:E監督
言ってくれるよ
その意気だ赤司!負けるなよ!
 
286:ねぇあたし、トイレの名無しさん
あのーその青き真実ってのはなんぞ?
 
287:ねぇあたし、トイレの名無しさん
俺も知りたいわ
 
288:聖先輩@解説
青き真実ってのはまあ、魔女を倒す為の推理ってとこだな
この推理に最後まで魔女側が赤で反論できなければ、こいつが正しかったと証
明されるわけだ
ただし、魔女側はこっちが出す青き真実に一つでも赤で反論できれば勝ちって
いうアドバンテージがあるんだけどよ
 
まあ何にせよ情報が少ない今、赤司には青き真実で粘りに粘って、アルルネシ
アの赤の反撃を凌いでもらわなくちゃならない
すんげーキツい役目だけどな
魔術師の赤司だからこそできることなんだ
 
289:ねぇあたし、トイレの名無しさん
なんとなくだけど理解したわ
 
290:ねぇあたし、トイレの名無しさん
とにかく、青き真実を使って当たりが出るまで推理しまくるしかないわけか
 
きついな
 
291:E監督
赤司が粘ってくれているうちに、俺は天馬達と協力して結界をこじ開けて、赤
司に加勢に入る
絶対に間に合わせる
これ以上アルルネシアの好きにはさせない!
 
292:ねぇあたし、トイレの名無しさん
めっちゃカッコいいぜE監督!
 
293:ねぇあたし、トイレの名無しさん
いけいけゴーゴー!
 
294:
時間が来たね
 
295:ねぇあたし、トイレの名無しさん
うわ
 
296:ねぇあたし、トイレの名無しさん
しまった
話してる間にもう…
 
297:
零時の鐘が鳴る
みんなありがとう
もし もし俺達が無理だったらその時は
 
298:ねぇあたし、トイレの名無しさん
赤司様?
 
299:ねぇあたし、トイレの名無しさん
やめて下さいよ赤司様!らしくない!
 
300:
赤ちんごめんね
 
301:ねぇあたし、トイレの名無しさん
!?
 
302:Nぇ@たし?Ieの名無Siさr
これにて第二夜も閉幕
零時の鐘が鳴る中
またしても事件を解決出来なかった探偵は生贄に捧げられました
 
【犯人は人間に化けた魔女である。】
【この洋館のいる人数は十一人以下である。】
【魔女は人間のトリックと力で犯行を行う。装飾された幻想の裏側に真実はあ
る。】
【魔女を見つけ出さない限り、誰一人現実に帰還することはできず、零時には
必ず全員が死亡する】
 
【全ての夜、全ての事件はノックス十戒に背かない】
【探偵は赤司征十郎であり、赤司は一切の殺人を犯さず意図的に手を貸すこと
もない】
【高尾和成は二階で刺された】
 
【誰かが外に出たのは、探索時の赤司と紫原のみ。他の人間は生死問わず外に
は一度も出ていない】
 
【食堂の通路を通った人間はあわせて三人である。ちなみに鷹は生死問わず通
っていない】
【全ての夜、事件においてピッキングによる密室工作は全て無効である】
【日向は黄瀬を殺しておらず、また黄瀬も日向を殺していない】
【火神は黒子を殺しておらず、また黒子も火神を殺していない】
 
【全て夜において、部屋の外から密室を作り出すことは不可能である】
【零時の時点で生きていたのは赤司と紫原のみ。それ以外は全員死亡している】
【紫原は第二夜にて殺人を犯しておらず、意識的な協力も行っていない】
 
次は最後の夜
さあさあさあさあさあさあさあさあ
可愛い探偵さんたち
踊り狂ってもっともっとモットモットモットきゃははははははははははは!
 
 
 
 ***
 
 
 
 熱い。喉が、身体が焼けるように熱い。
 赤司の目の前で、紫原が身体を折って苦しんでいる。けほけほと繰り返す咳
の音も段々おかしくなっていく。このままでは炎に焼かれるより先に、一酸化
炭素中毒で死ぬのは明白だった。その方が幸せなのかもしれないけれど。
 ごめん、と紫原は言った。守れなくてごめん、と。昔からそうだ。彼はいつ
も、ただひたすら赤司を守ろうとする。その根本な理由は幼なじみだからとい
うだけではなく、自分達の前世にあることも知っている。紫原は自分でも気付
かないうちに、前世の因縁に縛られ続けているのだ。
 
−−それでも。僕は、嬉しかったんだ。
 
 赤司の身体も動かなくなりつつある。もう声は出ない。しかしなんとか床を
這いずって、紫原の髪に手を伸ばす。
 敦の髪は綺麗だね、と笑った幼い日。
 征十郎の方がもっと綺麗だよ、と言った紫原を自分は忘れない。まだ彼が自
分を名前で呼んでいた頃、自分が与えられてきたものと失われたものの全てを、
忘れない。
 
−−どんなに壊れてもお前が傍にいてくれて嬉しかったんだよ。
 
 彼だけではない。本当に、かけがえのない仲間に恵まれた。自分は本当に幸
せだった。否、これからもずっと幸せなのだろう。
 燃え盛る焔の中、赤司は目を閉じて祈った。
 どうか自分に、愛しい者達を護る力を下さい。
 次に目覚めた時、全てを終わらせる力を。
 どうか。どうか−−今度こそ。
 
 
 
NEXT
 

 

苦悩にて懐古せよ。