本当の意味で 誰かを裏切ったりなどするもんか。
【キセキファン】 彼らが魔女に浚われた ・最終夜・13 【力を貸して】
181:名無しのミステリー作家 そういや、俺キセキ版の常連なんだけど 火の存在感ってキセキメンバーと同等だって聴いたことあるな
182:名無しのミステリー作家 あ、そういえば 黒っちは存在感の薄さが武器みたいなもんだからすぐ見失うけど キセキ見失うとかまずないもんな
183:名無しのミステリー作家 それを考えると第一夜で黒子殺しがややこしくなったのも黒子だったからって 気がすごいしてくる 黒子だったからいついなくなったかみんな分からなくて焦ったもんな
184:名無しのミステリー作家 となるとやっぱ 玄関ホールにいるみんなから見える儀式部屋の扉を、火が気付かれず出入りす んのは難しい…か?
185:霧 可能性として ほぼ緑間さんが確定黒なら…緑間さんと日さんと月さんで玄関ホールにいた 時、緑間さんが二人の気を逸らしていた可能性はあるけど 鷹が死んだ直後ならどうしても視線は鷹に集中してただろうし
186:名無しのミステリー作家 なるほろ…
187:実況班 そのへん赤司様突っ込むかと思ったらスルーなのな どうせ復唱拒否されると思ったのかも
赤「火、黒の遺体を見つけて部屋から出てきた時。僕は儀式部屋の前から玄関 ホールの様子を見ている。この時まだ玄関ホール待機班の緑、JK監督、青、 月先輩は無事だった」 アル「何度も言うようだけど探偵はあなたよ。あなたが直接視認した情報に偽 りはないわ。探偵は観測者ではなく犯人にもなり得ない。ノックス第七条に抵 触するもの」 赤「だろうね。…そして僕と日主将と黄瀬と紫原は引き続き二階左廊下を調べ に入る。ここから玄関ホールに戻るまで、僕らから玄関ホールは完全に死角に 入ってしまった。事件が起きたとしたらその間だ」
188:名無しのミステリー作家 …思ったけど 玄関ホールには四人の人間がいたんだよな 緑間が犯人だとしても 三人をひとりで殺せるものか?
189:名無しのミステリー作家 あー…
190:名無しのミステリー作家 メタ的な考え方だけど188は正しいかも 特に青峰は手強いだろ
191:名無しのミステリー作家 兄貴喧嘩もむっちゃ強いからなぁ…
192:名無しのミステリー作家 赤司様達が玄関ホールに戻ってきたら、その時もう誰もいなかったんだよな確 か
193:名無しのミステリー作家 血痕だけあって後々遺体は別の場所で見つかるパターンだった
194:聖先輩 赤司達はこの後、いなくなった皆を探しに出たよな でもって赤司と紫原が外探索で、玄関ホールに黄瀬と日主将が待機してたけど
そんで外探索の時、緑間のテーピングのテープっぽいのが落ちてるのを発見し ましたと
195:実況班
赤「僕と紫原が外探索を終えて帰ってくると、そこで玄関ホールで死んでる黄 瀬を発見。続いて鎧の中で死んでる日主将を発見した」 アル「【黄瀬君と日主将は他殺よ】」 赤「言う前にどうも。…そして僕らは再び安価でどこから調べに入るかを決め た。結果一階右廊下からになり、先走った紫原を追いかけて僕は紫原の悲鳴を 聴いた。応接室での青峰の遺体発見だ」 アル「この流れで、奥の小部屋で月君の遺体を発見。二階廊下突き当たりでJ K監督の遺体発見。二階☆部屋で緑間君の遺体発見っとどんどん見つかってい くわね」 赤「…その通りだ」
196:名無しのミステリー作家 つら…
197:名無しのミステリー作家 見つける人見つける人みんな死んでんだもんな…
198:名無しのミステリー作家 わけわかめ
199:名無しのミステリー作家 あと何かいろいろ見つかってたよな JK監督の服に縛られたみたいな痕があって 緑間のテーピングはやっぱりなくなってて そんで用具倉庫でロープを発見、と
200:名無しのミステリー作家 >>199 乙!
201:E監督 二階探索した時は、緑間の遺体もJK監督の遺体もなかった 玄関ホール降りて、外探索して一階探索して二階に行ったら出現したバージョ ンだよな
202:名無しのミステリー作家 あと、食堂の抜け道はやっぱ誰か通った形跡があったって
203:名無しのミステリー作家 そしてそのまま零時になって、赤様と紫原は…ぐすっ
204:名無しのミステリー作家 第一夜も謎だが第二夜もわけわかんねぇよ
205:名無しのミステリー作家 とりあえずこれで構築は終わったけど…どうすんだ赤様
206:名無しのミステリー作家 第一夜と同じ推理を貫くにはさすがにキツいよな… そもそも密室トリックどうすんだ 火と黒が他殺だったら詰むぞ
207:名無しのミステリー作家 >>206 おい簡単に詰むとか言うなよ!俺らが赤様を信じなくてどうすんだ!
208:聖先輩@まとめなう 密室トリックと、あと俺らが見つけてきた罠の攻略が肝だな…とりあえず情報 まとめてE監督に見せてるけど
あ
209:名無しのミステリー作家 どうしたよ
210:名無しのミステリー作家 何か気付いたのか?
211:E監督 密室に関してどうしても気になることがあってさ で、既出赤字と密室発見時の状況まとめて貰ったんだけど
思いついたかもしれない 密室破りの方法、二つとも
212:名無しのミステリー作家 マジか!?
213:名無しのミステリー作家 え、どうやって!?どうやって破んの!?
214:名無しのミステリー作家 密室完璧、しかも他殺確定の月先輩殺しは特に厳しいぞ!?
215:E監督 もし俺が考えてる通りなら、この二つの密室トリックは完全に別モノだ しかも盲点をついただけの子供騙しってことになる もし本当にこの方法で密室殺人を成立させていたとしたら、犯人も芋づる式だ。 これが出来た奴なんて一人しかいない
ただ…まだ確証は得られてないんだ それに鷹殺しの罠が解けてない
216:名無しのミステリー作家 そういやE監督達慌ててたよな 罠張られてるとかなんとか
217:名無しのミステリー作家 E監督達が見つけた罠ってのは何なんだ?
218:実況班 おいヤバいぞみんな 動画見ろ!赤様が大ピンチだ!
219:名無しのミステリー作家 え!?
***
「以上で構築は終わり。さあ、あなたの感想を聴かせて頂戴?」
推理、ではなくて感想か。赤司がもはや推理などできはしないと舐められき っているのかもしれない。実際、既に赤司の推理は破綻している。 だが。
−−人を侮るのも大概にしろよ、アルルネシア!
ここで諦めるほどお人好しではないのだ、残念ながら。そして誤りだらけの 推理でもアルルネシアを牽制し、反撃させることでヒントを得ることは出来る。 自分にまだ出来ることがあるなら、まだ息を止めちゃいないなら。それはま だ、諦める時では、ない!
「吠え面かくなよアルルネシア!天命の魔術師・赤司征十郎の名のもとに青き 真実を行使する!」
血にまみれた腕を、杖を高々と掲げる。赤司の意志に呼応するように、青き 矢が次々と出現した。
−−くらえっ!
「《鷹を殺したのは火神と黒子の片方ないし両方!火神と黒子は密室を構築し て自殺した!そして以降の犯行は全て玄関ホールに残っていた緑間によるも の!》」
火神と黒子が他殺かもしれない。むしろアルルネシアならそのカードを隠し 持っている可能性が極めて高い。それが分かっていながら、赤司はその青字を 使った。 間違えても傷ついても膝をつかされても、前へ進む為の一手。かつての赤司 ならば絶対に指さなかった一手だ。
「《玄関ホールで待機していた時、隙をついて玄関ホールにいた月先輩、青峰、 相田さんを殺害した緑間は遺体をそれぞれ一階右廊下小部屋、右廊下応接室、 二階左窓の前に運んだ!緑間は相田さんを縛ったあとまず抜け道を使って二階 に上がり、上からロープを引き上げて彼女を二階に釣り上げたんだ》」
これで【抜け道を通ったのは三人、鷹は通ってない】という赤字をクリアで きる。食堂の抜け道を通ったのは探索時の青峰と緑間、遺体となったリコだっ たというわけだ。 リコの身体の縛られた痕も犯行に使われたと思しきロープは見つかってい る。フラグが立っていた以上この推理は成立するはずだ。
「《そして最後に、緑間は食堂から繋がる二階の☆部屋で汚れたテーピングを 外して手を洗って証拠を隠滅した後自殺した。これが僕の推理だ!》」
さぁ、どう出る? 青き矢がアルルネシアに向けて一斉に放たれる。アルルネシアは涼しい眼で それらを見つめて、ハンマーを振った。
「さすがね赤司君。筋は通るわ。まあ…片っ端から叩き折らせて貰うけどぉ! キャハハハハハハハハハハハッ!」
一本目の矢は、赤きシールドにて防がれる。
「【火神君と黒子君は他殺よ!】そして【二人が殺されていた儀式部屋の扉は ゲームスタートの八時から赤司君達が突入するまで一度も開かれたことはない わ!】」
やはり、他殺。性悪女め、と心の中で毒づきながら、アルルネシアの反撃を かわす赤司。 しかし追撃は続く。
「緑間君犯人説を通したいようだけどそれも潰させて貰うわよ?【緑間君一人 で玄関ホールにいた青峰君、リコちゃん、伊月君を殺すとか無理に決まってる じゃない!】それに【緑間君は自殺でも事故死でもない、他殺よ!】」
ざくり、と身体の中で音が鳴った。続いてごきり、と骨が砕ける音。赤司は 自分の身体を見下ろす。そして、赤き二本の矢が右脹ら脛に深々と突き刺さっ ている事実を知る。
「−−ッ!!!」
一拍遅れて、激痛が脳天を突き抜けた。声にならぬ悲鳴と共に崩れ落ちる赤 司。血と汗が一斉に噴き出す。矢は肉を裂くばかりか骨までを粉々に打ち砕い ていた。さすがにもう、立てない。 ああ−−痛い。
「まだまだまだよおっ!可愛い可愛い赤司ちゃんはもっともっと苦しんで貰わ なくちゃあ!」
愉しい愉しいと言わんばかりのアルルネシアの声が遠くから聞こえる。相変 わらずのキチガイめ、お前なんぞに付き合ってやる趣味なんかねぇよこの鬼畜 女。頭の中で必死に罵倒を並べ、赤司はなんとか飛びかける意識を保っていた。 怒りを忘れるな。忘れてしまえば、そのまま−−持って行かれてしまう。
「これがあたしの檻ッ!犯人は十二人目魔女だと認めさせてあげる。さあ…食 らいなさい!!」
アルルネシアの唇が言葉を紡ぐ。赤司は眼を見開いた。馬鹿な。そんな馬鹿 な。この赤き真実が全て本当だとしたら−−誰一人高尾を殺せた人間がいなく なってしまうではないか!
ざくり。
ざくりざくりざくりざくり。
降り注いだ幾多もの赤き槍は。倒れた赤司の背を次々貫き、床に縫い止め− −あまりにも艶やかに、鮮血の花を咲かせたのだった。
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捨てて吐けよ。