意思を遂げよ。 信念を貫けよ。
【キセキファン】 彼らが魔女に浚われた ・最終夜・18 【力を貸して】
・ ・ ・
400:名無しのミステリー作家 ちょっとずつだけど、俺にも分かってきたような気がする
401:名無しのミステリー作家 俺はわからん… 第三夜の日主将とJK監督の電話の内容は後の様子を見てもガチっぽいのに、 何故かその時二人を襲えた人間がいないって
あ
402:桜 >>401 気付きましたか? 実はこれは、第二夜の鷹君殺しと同じ状況なんです 鷹君は確かに死んでいるのに誰も殺せた人間がいない 今回も同じ。日主将とJK監督は確かに何者かの襲撃を受けて殺されているの に、二人を襲撃できた人間が何故か十一人中一人もいない
まだアルルネシアが仕掛けていないだけで、これも同じ種類の檻なんです 最もこっちの方がだいぶ難易度は低いんですけどね
403:名無しのミステリー作家 うわあああやめれっ!
404:名無しのミステリー作家 鷹殺しの件だけでもわけわかめなのにこれ以上謎を増やすなよおおおっ!
405:名無しのミステリー作家 いや、でも待った もしかしたら…片方の檻が壊せたらもう片方も同じ理屈で壊せるってことなの か?
406:桜 >>405 恐らくは 【八時から日主将とJK監督が閉じこめられていた食堂と窓は外側から封じら れていました。月先輩と火君が一階探索時に封印を解くまで、食堂を出入りす る手段は二階へ続く抜け道だけだったということになります】
なので食堂は密閉ではありません ただ、【日主将とJK監督は生死問わず第三夜で抜け道を通ってないことは確 かです】
407:名無しのミステリー作家 なるなる
408:名無しのミステリー作家 その赤の通りだと、食堂の封印を解いた時は月先輩と火は両方生きてたってこ とになるよな
409:まとめ班 そして、九時前。探索から帰ってこない月先輩と火をみんなで探しにいったと ころ、書斎で月先輩の遺体を発見 食堂でも日主将とJK監督の遺体を発見したんだったな
月先輩は何故か掌を擦りむいていたんだったけ?
410:名無しのミステリー作家 そして最終チェック時に、火神の生存は赤で宣言されてる これだけ見ると、月先輩と火が一緒に探索に入った後、火が月先輩を殺して あと食堂にいた日主将とJKを殺して抜け道から二階に逃げたんじゃって感じ がするけど…
411:名無しのミステリー作家 でもそうすると月先輩の掌の傷がわからなくなるなぁ…
412:桜 >>410 恐らく、赤司君も同じように考えたんだと思います ただし、まだ黒子君の死亡が確定してませんでしたから、電話時に日主将とJ K監督を襲ったのは黒子君だと考えていたんじゃないかと思いますが
413:名無しのミステリー作家 もしかして
414:名無しのミステリー作家 黒子はシロだったし死んでるんだよなあ…結局振り出しだよ
415:名無しのミステリー作家 どうしたよ413
416:閃いた413 俺わかったかもしんない 第三夜の謎
なあ桜、改めて確認するけど この事件は全部ノックス十戒に引っかからないわけだよな?
417:桜 >>416 はい 【全ての夜はノックス十戒に違反しません】
418:閃いた413 日主将とJK監督ってさ、同じ学校のキャプテンと監督だよな 赤司様が“付き合ってるんじゃないか?”って思えるくらい仲が良いんだよな?
419:名無しのミステリー作家 そういや赤様がそんな発言してたな
420:名無しのミステリー作家 んでもって第一夜の幻想描写にあったような気がする 日主将がJK監督だけは疑ってなくて、だから玄関ホールから引き離した…み たいな描写が
419:閃いた413 おk みんなありがとう わかった俺、多分これが答えだ
正直言うと、これは赤様のミスだと思う 第三夜をもっとギリギリまで引っ張ってからチェックメイトをかけてれば 少なくとも二階をしっかり調べてれば もっと楽に事件は解けた筈だ
アルルネシアの奴も赤様が短期決戦仕掛けてくるの分かってて こんなに一気に事件を動かしてったんだろうな 赤様を焦らせる為に
420:桜 ……なるほど 419さん感謝します、おかげで僕にも分かりました これが事実なら犯人も全て確定します 奢りましたね、アルルネシア 自分が仕掛けた罠が、命取りになるだなんて思いもしなかったでしょう
421:名無しのミステリー作家 え!?ちょ、どういうこと!?
422:名無しのミステリー作家 俺は全然意味わからないんだけど!?
423:名無しのミステリー作家 頼む!俺らにも説明をば!
424:桜 スミマセンスミマセン まだここで説明はできないんです このスレをアルルネシアが見ている可能性がありますから ただヒントだけは
第三夜に限らず、一度全ての事件の流れと人物の配置、既出赤字をまとめてみ て下さい 肝心なことは【赤司君と一緒にいた人間のアリバイは確定】されること 何が赤字で宣言され、されていないのか 赤司君が現場で何を見て何を見落としているか
そしてノックス十戒 ヒントは全て提示されています ロープ、テーピング、服の汚れ、不自然な発言、誰彼の行動
その上で事件の筋を通そうとすれば 犯人があの人達以外ありえないことが見えてきますから
425:名無しのミステリー作家 桜がマジでカッコイい件
426:名無しのミステリー作家 俺ちょっと情報まとめしてくるっ(バッ
427:名無しのミステリー作家 情報まとめする為のノート買ってくるわっ(バッ
428:名無しのミステリー作家 情報まとめできる机がなかったから近くの家具屋へ行ってくるわ(バッ
429:名無しのミステリー作家 >>428 さらっとデカい買い物しようとしてんなwww
430:E監督 桜!ありがとう! おまえのお陰で全部の謎が解けた!結界を壊すまであと一息だ!
431:名無しのミステリー作家 そのコテは!
432:名無しのミステリー作家 わああああお帰りE監督うううっ!
***
赤司にはただその光景を見ていることしか出来なかった。なんせこれは既に 過去の出来事。アルルネシアが赤司に見せている幻想に過ぎない。 アルルネシアに馬乗りになられ、無理矢理口づけされた伊月はしばらく青ざ めてぐったりしていた。宝華鳥の一族である彼にとっては、唾液にしろ血液に しろ他人の体液−−正確には遺伝子情報−−が体内に入るのは一大事だった。 ましてや相手はアルルネシア、一族の敵とも言うべき存在。伊月にとって汚さ れのは身体だけではないだろう。
「ぐぁ…!」
ぐったりとし、涙を流していた伊月はやがて苦しみ始める。その姿を見て、 アルルネシアは実に愉快そうに声を上げて笑った。
「うふふふ…きゃははははは!さあて、あたしの色は“何色”かしら!?」
アルルネシアの振り上げたナイフは真っ直ぐ、伊月の臍あたりに深々と突き 刺さった。切り裂くような鋭い絶叫が上がる。嫌だ嫌だやめろ、伊月のそんな 声を意に帰さず、アルルネシアは突き刺した刃を真下に引き始める。 赤司は口元を抑えて、震えるしかなかった。酷い。あまりにも、酷い。人よ り遙かに強靭な精神を持つ赤司だが、見知った人間が惨殺されるのを見て平静 でいられる筈もない。 しかし出来ることは何も−−無かった。 生きたまま腹を割かれる伊月。噴き上がる血。アルルネシアの狂ったような 嗤いと、上げる悲鳴さえ弱々しくなっていく少年。露出しているだろう内臓の 断面は、赤司の角度からは見えなかった。それを唯一の救いとでも思えばいい のか。 魔女は切り裂いた伊月の腹の中に、ずぶりと手を突っ込んだ。少年の身体が 弓なりに反る。吐き出した血と涙で汚れた喉はもう枯れた声しか出なかった。 「あぅ…ぁ…」 「うふふふ…可愛い子をついつい襲って犯したくなっちゃう気持ちが分かるわ ぁ…可愛い可愛い、最高に可愛いわよ伊月君」 「いや…ゃあ…ぐああ…」 「素敵素敵その顔本当に素敵…あああキモチイイわあ!」 「あああっ…」 内臓を掻き回し地獄の苦痛を与えた後、アルルネシアは伊月の腹から手を引 き抜いた。血まみれの丸い球体が、その手に握られている。 宝華鳥の宝玉。一つで下手をすれば億に届くほどの価値のある宝玉は、何も なければ真っ白な色をしている。アルルネシアの唾液を無理矢理摂取させられ たそれは魔女の遺伝子を受け、ルビーのような真っ赤な石に姿を変えていた。
「はい、ひとつめー。綺麗な石ね…首飾りにでもして飾ろうかしら」
本来なら大量出血と激痛でショック死していてもおかしくない筈だった。む しろそうであればどれだけ幸せだったことか。 しかし伊月はまだ生きていた。虚ろな眼で、止まりかけた息で、まだ。もう 声さえ出せない少年のその瞳から、また一粒涙が零れる。まるで、宝石のよう な美しさで。
「場所によって石の色も変わるんだったわよねぇ?」
−−もうやめろ!やめてくれ!
赤司の声は届かない。アルルネシアは伊月のシャツのボタンを開けて、白い 胸元をはだけさせた。
「こっちの宝玉はどんな綺麗な色をしているのかしら?」
−−やめろぉぉぉっ!
アルルネシアのナイフが伊月の心臓のあたりに食い込んだ。その瞬間、景色 は真っ赤に染まって−−赤司は空間から放り出される。
「ぐあっ…!」
現実世界なら嘔吐していたはずだ。それほどのものを見せられた。 しかしまだ、悪夢は終わっていない。赤司は愕然とする。放り出されたその 場所は、応接室。そこには青峰が一人、立っていた。
「なんだこれ…!?俺さっきまで玄関ホールにいたよな?」
キョロキョロと辺りを見回す青峰に、当然のことながら赤司の姿は見えない。 ああこれは、第二夜。今度は青峰が殺されるところを見せようというのか。
−−大輝、逃げろ!その部屋にいたら駄目だっ!
届かないのはわかっている。それでも叫ばずにはいられなかった。何故なら 赤司は知っている。第二夜で、その部屋で。青峰が殺されていたことを、知っ ている。 きっと魔女はさっきの伊月のように、青峰をぐちゃぐちゃに壊して、弄んで、 汚してから殺す気だ。楽に死ねるはずがない。そこには苦痛と、屈辱しかない。
−−逃げられるんだ、伊月さんの時とは違う!【その部屋は密室なんかじゃな かった!】結界は張られてないんだ!
だが、赤司の祈りも虚しく−−部屋の中にまた、暗い靄が立ち込め始める。 驚く青峰の目の前で、それは真っ赤なドレスを着た女へと変貌した。
「アルルネシア…!」
第一夜で最後まで生き残った青峰は知っている。その魔女が仲間の敵である と。青峰の憎悪の表情を、魔女は恍惚とした顔で見つめた。
「さぁ、遊びましょう青峰君?」
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振るって奮えよ。