感じろ。
 傍にいる人を。
 
 
 
 
 
【キセキファン】
彼らが魔女に浚われた
・最終夜・27
【力を貸して】
 
 
 
 ・
 
749:実況班
実況続けるぞ!
 
赤「日主将はJK監督をキッチンに連れ出した。何故風呂場ではなくキッチン
だったのか?」
E監督「キッチンは一階左廊下エリア、風呂場は一階右廊下エリア、だな」
赤「そうですE監督。…左廊下エリアにはキッチンと書庫、そして抜け道のあ
る食堂があります。これらが必要だったんです」
アル「それが何だって言うのよ。【書斎で日主将とJK監督が見つかったのは、
二階で緑間君の遺体を見つけるより前じゃないの!】そして当の【緑間君は他
殺よ!】じゃあこの三人は誰が殺したっていうの!?
 
アルルネシアがどんどん余裕なくなってくんなー
 
750:名無しのミステリー作家
つまり赤様とE監督の推理が的を射てるってことか
 
751:名無しのミステリー作家
頑張れ頑張れ赤様ああああっ!
 
752:名無しのミステリー作家
E監督ファイトおおおおっ!
 
753:実況班
 
赤「ここで出てくるのが本棚の件だ。…日主将とJK監督が死んでいた書斎は
何故か本棚が倒れまくっていた。お陰で僕らは遺体に近付けなかった」
E監督「探偵の赤司が遺体に触れなかったということはつまり、この二人が偽
装死体だった可能性があることを意味する」
赤「本棚は一番下の段を辞書…に見せかけた辞書のカバーばかりが詰め込まれ
ていた。つまり一番下だけやたら軽くて、バランス悪い状態になってたんだな。
本棚を倒しやすくする為に。《日主将はJK監督を殺した後、わざと滅茶苦茶
に本棚を倒して、僕達が近づくまでの時間を稼いだんだ。そして自分は死んだ
フリをして本棚の下敷きになったように見せかけた!》
E監督「辞書を使って簡易的なつっかえ棒でもすれば、下敷きっぽく見せかけ
るのも可能だからな」
 
本棚ってそれが理由だったの!?
 
754:名無しのミステリー作家
てっきり乱闘の後かと…
 
755:名無しのミステリー作家
もしくは、本棚倒して下敷きにして、日主将とJK監督の動きを封じたとかそ
んなんかと
 
756:名無しのミステリー作家
つまりは…日主将は、赤司様達が見つけた時まだ生きてたんだな?
 
757:天M
一緒に倒れてるJK監督の方は死んでるからよりリアリティがあったんだろう
な…。
 
758:実況班
段々わかってきたぞ
 
赤「《…一方その頃、まだ生きていた緑間は二階にいた。抜け道を何度も通っ
て手が汚れた為だろう、テーピングをはがして窓の外に捨てていた》
E監督「食堂の抜け道は煤だらけだ。だから抜け道を通って犯行に及んだ人間
は服や手が汚れていた。【伊月の服が汚れていたという情報も抜け道が煤まみ
れという情報も提示済みだ】黄瀬の手首の掴まれた痕もそう。抜け道と二階を
うろうろしていた伊月の手が汚れていたせいだろう」
赤「多分黄瀬の遺体が見つかった時緑間も気付いたんだろうな。幸い小部屋全
てに手洗い場は完備されている。だからそれ以降抜け道を使うたび手を洗うこ
とにしたんだろうけど…テーピングについた汚れは洗って落ちるものじゃな
い。だから証拠隠滅の為に剥がしたってところか」
E監督「でも服についた汚れはそうそう誤魔化せない。月の服に煤がついたま
まだったのは隠しきれなかった結果なんだろうな」
 
759:名無しのミステリー作家
これでやってテーピングの件が解明された!
 
760:名無しのミステリー作家
あの黒い汚れはやっぱり煤だったんだなあ
 
761:実況班
 
赤「《僕達が左廊下エリアからいなくなった隙に、日主将は書庫から抜け出し
て、食堂の抜け道を使って二階へ行った。そして二階の☆部屋で待っていた緑
間を殺害したんだ》
E監督「アルルネシア。お前は効率よく犯人同士で殺し合わせて、【緑間は他
殺】や【月は他殺】という赤を成立させたんだな。反吐が出るぜ」
赤「《そして日主将は予め見つけておいたボールを階下に向けて転がして僕ら
を二階におびき寄せ、自分は素早く抜け道を通って一階へ。書斎に戻ってその
場で自殺した!》これで犯人組は全員死亡したわけだけど、この時になるとも
う零時も近かったからね。あとはボイラーの仕掛けで生き残った僕と青峰と火
が吹っ飛ぶのを待つだけだったわけだ」
E監督「これが俺達の推理!反撃できるもんならして貰おうか!」
アル「くっ…!」
 
762:名無しのミステリー作家
青い矢がいっぱい飛んでく!
 
763:名無しのミステリー作家
よっしゃ今度こそイケるか!?
 
764:名無しのミステリー作家
あちゃ
 
765:
やっぱりまだ駄目だったみたいですね
赤き真実で防がれました
まだ第二夜が残ってますからね…
 
766:実況班
 
アル「まだ…まだよまだよ!まだ第二夜が残ってるわ!【第一夜と第二夜は同
じ犯人よ!】でも、【第一夜の月君の時と同じ密室トリックは、第二夜の火君
黒君殺害の際には使えないわよねぇぇっ!?
E監督「ととっ…」
 
うわああ赤き矢がいっぱい飛んできたあああっ赤様E監督逃げてええっ!
 
767:名無しのミステリー作家
使えないよなそりゃ…
 
768:名無しのミステリー作家
月先輩の密室は、“密室は完璧だったけど被害者が時間差で殺された”ってい
う事件錯覚パターンだ
これは月先輩が犯人の一人だったからできたとこだろ
 
769:名無しのミステリー作家
今回火と黒は犯人じゃない前提だもんな
確かに無理だ
 
770:名無しのミステリー作家
JK監督の時みたいに騙して協力させたんじゃないの?
 
771:
>>770
無理ですねそれは
だって今回は赤司さんが突入直後に検死してます
【部屋に入った時には、火君黒君は間違いなく死んでいましたよ】
 
772:名無しのミステリー作家
そうだった
【赤様は検死を誤らない】んだった
 
773:名無しのミステリー作家
月先輩のトリックも、密室破壊したのが赤様本人じゃなかったから成立したの
もあるんだろうな…まあいくら赤様でも、友達の遺体に泣いて縋りついてる日
主将を引き剥がすとか、無理だっただろうけど
 
774:名無しのミステリー作家
…なんか人間のキモチとかココロとか、そういう隙間を凄い突いて来てて…ヤ
な感じだ
 
775:名無しのミステリー作家
やっぱり殴りたいです魔女
 
776:
魔女がみんなあんなんだと思わないでくださいね
魔女には変人が多いですけど、あそこまでトチ狂った魔女は他にいないですか
 
ラムダデルタ卿だってあそこまで酷くないです
 
777:名無しのミステリー作家
そうだなあのロリは可愛いな(バッ
 
778:名無しのミステリー作家
ぎゃあああその台詞で脱ぐとかてめええっ!
 
779:名無しのミステリー作家
早く来てお巡りさあああん!
 
780:名無しのミステリー作家
お巡りさんこっちですううううっ!
 
781:天M
>>777
マッハウィンド
 
騒いでる場合じゃないよみんな!
第二夜の推理始まってる!
 
782:名無しのミステリー作家
おっとおおっ!
 
783:名無しのミステリー作家
実況班続きをば!
 
784:実況班
了解だぜえええっ!
 
 
 
 ***
 
 
 
 これで第一夜はクリアした。あとは第二夜と第三夜だけ。そしてもう犯人は
ほぼ確定しているわけだから、あとは火神と黒子の密室を解き、流れを詰め間
違えなければ勝てるはずだ。
 
−−だけど相手はアルルネシアだ。どんな罠を残してるかわからない。
 
 赤司はキッと魔女を睨みつける。円堂が助けに来る前の最初の推理にも、実
はそれなりに自信があった。しかし、アルルネシアの“ご都合主義”の赤き真
実と復唱要求に踊らされ、結果袋小路に追い込まれてしまったのだ。
 もうあんな無様な姿は晒さない。守勢にも回らない。徹底的に攻めて攻めて、
青き真実でトドメを刺してやる。
 
−−そして思い知れアルルネシア。貴様が弄んできたみんなの痛みを、苦しみ
を!
 
「休む暇など与えない。第二夜の推理、食らわせてやる」
 
 パチン、と赤司が指を鳴らすと、幻想法廷のステンドグラスに間取り図の映
像が映し出される。
 
「…第二夜は八時に僕らが目覚めた時、既に行方不明者が三人出ていた。高尾、
火神、テツヤの三人だ」
 
 高尾を殺し、工作が可能だったのは日向と伊月と緑間の三人以外に有り得な
い。しかしこの三人でさえ、高尾を鎧に隠せたタイミングは限られる。八時の
ゲームスタートより前、だ。
 同時に、黒子と火神を殺せたのも八時より前以外に有り得ない。何故なら【黒
子と火神が死亡していた儀式部屋の扉は、八時から赤司達が突入するまで一度
たりとも開かれなかったのだから。】
 もし突入組に赤司がいなかったなら、また伊月同様“事件錯覚”を疑う事が
可能だった。しかし、今回赤司は突入してすぐ二人の死亡を確認している。
 唯一赤司より先に遺体に触ってしまったのが黄瀬だったが、赤司が見たとこ
ろ二人の拘束を外す以外の不審な行動は見られなかった。ならばやはり、二人
は突入前に死亡していたと見るべきだろう。
 もう一つ。密室に実は犯人が隠れ潜んでいたというパターンもある。しかし
今回これはそもそも前提として不可能なのだ。
 【屋敷には十二人以上の人間はいない。】
 【突入時、赤司と一緒にいたのは黄瀬と紫原と日向。この三人が儀式部屋に
隠れ潜むのは不可能だ。】
 さらに【残る生存者である緑間、伊月、青峰、リコは確かに玄関ホールにい
た。振り返って視認したから間違いはない。】
 そして【高尾はこの時既に死亡していて、書斎に運び出されている。】つま
り儀式部屋を探すまでもなく、部屋に潜む余地のあった人間など一人もいない
のだ。
 
「玄関ホールで高尾の遺体が見つかった後、僕と涼太と日向さんと敦の四人で
二階を探索した。そして儀式部屋が内側からつっかえ棒封鎖されていることに
気付いて、強引に破った上で中に突入し、火神とテツヤの遺体を見つけたわけ
だけど」
 
 ここでいくつかポイントがある。
 アルルネシアは赤で部屋が完全な密室だったことを宣言していないが、ドア
が封じられていたのは体当たりした赤司自身がよく知っている上、室内の窓に
鍵がかかっていたのもすぐ視認していること。
 しかしこの密室では何故か通常の鍵は使われておらず、つっかえ棒でドアを
封じてあったこと。
 再三になるが火神と黒子は突入時死亡していて、しかも他殺であること。部
屋に潜んでいた人間はありえないこと。
 さらにつけ加えるならば、【このゲームにおいていかなる密室も部屋の外か
ら構築はできないということ。】
 
「完璧な密室よね?」
 
 アルルネシアがニヤニヤと嗤う。
 
「これを一体どう破る気かしら?」
 
 嗤っていられるのは今のうちだ。赤司はフンと鼻を鳴らした。
 決まっている。答えは一つしかない。
 
「見せてやるよ。僕の青き真実を!」
 
 
 
NEXT
 

 

漁って、朝って。