小さなほころびから、 容易く崩れる世界だとしても。
【キセキファン】 彼らが魔女に浚われた ・最終夜・42 【力を貸して】
・ ・ ・
887:名無しのミステリー作家 鷹の涙にまじ涙
888:名無しのミステリー作家 そっか…うん、そうだよな 鷹にとって緑間は大事な相棒なわけで …緑間のツンが消失すんのも分かるわ
889:名無しのミステリー作家 おい先に言っとくが腐海の住人どもは自重しとけよ これホモだのなんだのってふざけていいもんじゃねぇからな
890:名無しのミステリー作家 やだこの889男前…!
891:名無しのミステリー作家 )┓<勿論ですとも我々だって空気は読みますよ!
892:名無しのミステリー作家 足出てるけどな!
893:名無しのミステリー作家 駄菓子菓子、オクサレ神を手懐けるとはこの889…できる!
894:名無しのミステリー作家 鷹も感動したけどJK監督もまじ男前やわ 私女だけどJK監督になら抱かれてもいい!
895:黒 >>894 阻止させて頂きますね なんかこれを機会に日主将とくっつきそうな気配がとってもしてるんで
896:名無しのミステリー作家 え!?つかあれだけラブラブっぽくかましておいて日主将とJK監督付き合って なかったの!?
897:名無しのミステリー作家 その方が意外なんだけど!?
897:黒 >>896 端から見れば両思いバレバレなんですけどねぇ そもそも日主将に至っては自分の感情に鈍いので自覚があったかどうか
これを機会に付き合っちゃえよリア充末永く爆発しろと思ってるんですが
898:名無しのミステリー作家 黒wwww
899:名無しのミステリー作家 なんかいろいろ混じってるwwww
898:黒 続き投下しますね JK監督はブチ切れて日主将を殴って、言いました
JK監督「私には、自殺する事が絶対悪い事だとか、そんな偉そうな事言えない。 だって私は今日まですっごく幸せで、本気で死にたいだなんて思った事無いか ら。そう…日向君に殺されたの、思い出した時にも。死にたいとか裏切られた とか、そんな事ちっとも思わなかったの」 日向「…なんでだよ」 JK監督「裏切られてもないのに何でそんな事思わなきゃいけないの?悪いのは 魔女だって何回言えば分かるんだこんのバカは!」
いやこんな時なんですけど 泣いてるのに何故にうちの監督あんなにカッコイいんですか 惚れそうです
899:黄 右に同じ!
900:E監督 右に同じ!
901:木 右に同じ!
902:騎士K E監督にはかないませんけど右に同じ
903:鷹 ごめんそれどころじゃなかったから全然見て無かったわwwww
904:名無しのミステリー作家 おいコテハン組wwww
905:名無しのミステリー作家 鷹がそのテンションってことはほんとにみんな解決したんだな 良かった…!
906:鷹 >>905 まあね! でも真ちゃんはツンデレこじらせていろいろ悶絶してるからスレには来ないと 思う 日向さんはわかんない 月先輩は再入院なうだから多分無理
907:名無しのミステリー作家 月先輩また入院してんの!?
908:名無しのミステリー作家 病院無理矢理抜け出して来たんだもんな 無理ないけど
909:名無しのミステリー作家 まさかまた新たに怪我したわけじゃないよな!?
910:黄 新たに怪我はしてないッスけど 動き回ったりなんだりしたせいで縫ったばっかだった手首の傷開いちゃったみ たいッス そのへんも順々に説明するからちょっと待っててね
911:黒 続けますね
JK監督「本気で死にたいと思ったことない私に、日向君を否定するとか気持ち が分かるとか嘘でも言える筈ないの。…みんな、よく自殺を悪く言うけど…悪 く言う人達は死を選ぶしか無かった人の気持ち、本気で考えたことないんじゃ ないかなって思う。…考える気もない人間が外からぐだぐだ奇麗事言う資格は ないわ」 日向「カントク…」 JK監督「で、気付いたのよ。結局私は、私の気持ちしか分からないし語れない んだなって。鷹君とそのへん被るんだけどね。…だから今私は私の為に、私の 感情だけで怒ってる、軽蔑したかったらすればいい」
JK監督、声が震えてました きっとキャプテンに嫌われたくなかったんだと思います それでもキャプテンに死んで欲しくなくて、葛藤してたんでしょう。 言うべきことを言い切った彼女をボクは心から尊敬します
JK監督「あんたは私達のキャプテンだろうが!大会はどうした、私達のバスケ はどうした!その責任全部放り出して退場しようだなんてムシが良すぎると思 わねぇのかこのダァホ!」
912:名無しのミステリー作家 か
913:名無しのミステリー作家 格好良すぎる…! いやこれで惚れるなって方が無理だわ…!
914:黒 >>913 いいでしょうカッコイイでしょうボクらの監督!あげませんけどね(ドヤァ)
JK監督はそう一気に言い切った後で、言いました
JK監督「…それでいいじゃない。償いが必要だとアンタがどうしても思うなら、 責任を果たすことで償いなよ。鷹君と同じ事を私も言うわ。生きる理由も生き ていて欲しい理由も、なんだっていいの。そんなことだって、全然いいんじゃ ないのかな」
ほんと なんでこの流れで告白タイムが来なかったのか! それだけが謎ですっ(ギリィ
915:名無しのミステリー作家 …黒が着々と壊れていっておる
916:名無しのミステリー作家 先輩まじ大好きだな黒様…いや気持ちはわかるけどな!
917:騎士K 日向さんも、もう大丈夫のように見えました JK監督を抱きしめて泣く日向さんと、抱きついて泣くJK監督の頭を木さんが 撫でてて 答えは出たんだなって、そう思ったから
でも
918:黄 これでハッピーエンドじゃ…無かったんスよね
919:木 そうだな 正直ここまで来てああなるだなんて思わなかった
920:名無しのミステリー作家 な、何が起きたんだよ!?
921:青 相変わらずオニチクなところで止めんなおい
922:桜 >>青 同意です
923:天M >>青 同じくです
924:名無しのミステリー作家 >>青&桜&天M おまいら重婚wwww
でも俺も気になるわ 黒様続きはよっ!はよっ!
925:黒 飛び降りたんですよ
926:名無しのミステリー作家
927:名無しのミステリー作家
928:名無しのミステリー作家
929:名無しのミステリー作家 ………え?
930:名無しのミステリー作家 飛び降りた…って…
931:黒 止められませんでした 本気で抵抗されてはどうにもならなかったんです
伊月先輩はボクらの目の前で、屋上から飛び降りました。
***
良かったと、伊月は心から思った。此処まで皆を振り回してしまって申し訳 なく思うが、緑間と日向には生きていて欲しかったのが本心だ。リコと高尾の 言葉は確かに、日向と緑間に届いている。もう意志を確認する必要もあるまい。 彼等は、生きる事を選べるだろう。 それでいい。 罪の意識は誰の胸にもあるもの。今の時代からすればイレギュラーな事態だ ろうが、ほんの数百年前なら何でもない事だった。血を流さずして人は生きて はいけない。でも血を流して生きていけるのは、誰もが流した血を洗い流せる と知っていたからだ。 罪を洗い流せるとしたらそれは死ではない。何故なら、生きていく方が遙か に重く苦しいものなのだから。 死にたくない彼らが、贖いの為だけに死ぬ必要は−−無い。
「…伊月先輩」 「伊月」
ふと気付くと、すぐ前に黒子がいた。その隣には木吉。二人とも泣きそうな 顔でこちらを見ている。 自分のせいだ。それが分かっていたから、伊月は言った。
「ごめんね」
それが二人が望む言葉ではないと知りながら。
「…リコと同じ台詞を繰り返すつもりはないぞ。お前にも責任を放り出して欲 しくないな、他でもない俺達の為にだ。でも」
すっと眼を細める木吉。
「お前、一体何を隠してる?」
相変わらず、天然なようでいて鋭い男だ。伊月は小さく笑みを浮かべる。隠 し事は無論。自分が死ななければいけない本当の理由は、自分が宝華鳥だとア ルルネシアに知られてしまったからに他ならない。このままでは自分はまたア ルルネシアに狙われる。高尾にも目を付けられるかもしれない。そして少なく とも、自分といつも一緒にいる誠凛メンバーが巻き込まれるのは間違いないの だ。 加えて。伊月の身体はアルルネシアに取り憑かれる際、充分すぎるほど悲惨 な目に遭わされていた。宝華鳥との交尾にはセックスさえ必要ないし性別も関 係ない、ただディープなキスをしたり(唾液が入らなければ通常のキスには問 題がないが)輸血するだけで充分。それだけでこの身は相手の遺伝子情報を受 け取ってしまう。魔女はそれを、充分すぎるほどよく知っていた。 つまり今伊月の身には、アルルネシアの血を継いだ雛が宿っている。憎い敵 に犯されたというだけで死にそうなほど屈辱であるというのに、まさかの置き 土産だ。宝華鳥は好きな時に卵を産める為、当面このまま残しておく事は可能 だが、それにも限界がある。 高い魔力を持つ宝華鳥と悪意の権化の間に生まれる雛など、あまりに危険極 まりない。父親もいない自分には、アヤカシとしての後ろ盾も人間の有力な協 力者もいないのだ。そして、伊月には自らの死以外に、雛を殺す方法が思いつ かなかった。人間と同じ定義で考えることはできない、悪い意味で自分達は丈 夫すぎる。アヤカシであるとは、そういうことだ。
「…復讐したいんだよね」
でもそんな事、いくら木吉や黒子相手でも言える筈がない。だから伊月は。
「アルルネシアが憎い。あの女に復讐したい。…俺が死ねば、その望みが一部 だけでも叶う。あの女の思惑を崩せるんだ」
真実のほんの一部だけ口にする事を、選んだ。
「どういうことです?説明して下さい!」 「悪いけどこれ以上は無理。ただ、俺は罪悪感だけで死のうとしてる訳じゃな い。死なないとマズい事になりそうだから仕方なく死ぬってだけだ。黒子、木 吉」
何も語れない事が悲しくて。秘密だらけの自分を想ってくれる彼等が愛しく て。
「“Airora”」
その感情全てを、伊月は呟いた魔法で消し飛ばした。風属性中級魔法を間近 で食らった二人は吹っ飛び、コンクリートに転がる。手加減はした。大した怪 我ではない筈だ。しかし彼等が再び自分の元に駆けてきてももう、間に合わな い。
「ありがとう。…俺はみんなと出逢えて本当に幸せだった」 「伊月君!駄目!」 「日本一の夢、一緒に見れなくてごめん」 「駄目です伊月さん!」 「じゃあね」 「逝っちゃ駄目ッス!伊月さ…っ」
風魔法により切断されたフェンスの間に身体を滑り込ませた。皆の悲鳴に近 い声が聞こえた。振り向いた一瞬で見えた日向と緑間の顔は凍りついていた。 伊月は、微笑った。
「生まれ変わったら今度は、普通の人間として…みんなと逢いたいなあ」
地面を蹴り、飛んだ。 五階の屋上から舞う。宙に浮かぶような錯覚に、青い空の色が滲んだ。胸が 痛い。本当は生きたい。ああ、生きたかったんだ。 だけど、自分はもう。
「伊月いいいっ!」
光の手に掴まれたのは、その時だった。
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目を覚ます場所。