最悪を覚悟するよりも。 最悪にしない覚悟を決めるんだ。
【キセキファン】 彼らが魔女に浚われた ・最終夜・7 【力を貸して】
・ ・ ・
853:ねぇあたし、トイレの名無しさん 確かに… 黒子が自殺してたら、緑間は協力しただけで殺したことにはなんないよな…
854:ねぇあたし、トイレの名無しさん 実は赤字って結構曲者じゃね? 【緑間は黒子を殺してない】わけだから完全シロだと思い込んでたわ
855:E監督 それが赤き真実の怖いところなんだ 【赤では確かに、誰も嘘はつけない】 でも、抜け道はあるんだ 赤字は緑間は黒子を殺してないとは言ったけど協力してないとは言ってないか らな
856:ねぇあたし、トイレの名無しさん むず…
857:ねぇあたし、トイレの名無しさん 俺の頭はすでにばんぱかぱーんなんだけど
858:ねぇあたし、トイレの名無しさん >>857 何故にファンファーレwww
859:ねぇあたし、トイレの名無しさん ただ問題はこっから先だろ 緑間と黒子と火神が犯人だとしてもその根拠を提示できなきゃノックスの十戒 違反だ
860:騎士K そうだな
〈ノックス第六条〉 探偵方法に偶然と第六感の使用を禁ず。
〈ノックス第八条〉 提示されない手掛かりでの解決を禁ず。
この二つに引っかかる 勘や偶然推理を進めちゃいけないし 手掛かりなしに犯人を決めつけるのもアウトだ
861:実況班 あ、アルルネシアにもそれ突っ込まれてる
アル「根拠がなければ推理は認められないわよ。ノックス第六条と第八条に違 反するわ」 赤「分かってる。とりあえず結論から言ったけど、根拠はこれから話すよ」
赤様の考えはこうらしい まず黄瀬が死亡した時だ。黄瀬は玄関ホール待機組の一人だった。そして二階 で物音を聞いて、二階を一人調べに行ってそのまま戻ってこなかった。これが 同じく待機班だった日主将とJK監督の証言だ。
862:ねぇあたし、トイレの名無しさん でもってここで日主将とJK監督は嘘を吐いてない 玄関ホールも離れてない これはさっき赤で保証されたよな
863:実況班 >>862 そうだ
だから少なくとも黄瀬殺しに関して日主将とJK監督はシロ。 あと赤様と一緒に右廊下探索組だった、青峰と鷹もシロだ 探偵の赤様がアリバイ保証してるし、玄関ホールに戻ってきた人間がいないの は日主将とJK監督が証言してるしな
そうすると必然的に残る犯行可能な人間は 左廊下探索組の 黒子、火、緑間
もしくは行方不明の 月先輩と紫原
この五人に絞られる
864:ねぇあたし、トイレの名無しさん あー…そっか もし左廊下探索組が犯人なら三人グルじゃないとおかしいか
865:ねぇあたし、トイレの名無しさん でも待った、緑間と火ってかなりヒートアップして喧嘩してたんじゃなかった っけ? あの自動ドア動かないレベルに影薄い黒様だぞ いつの間にか黒様一人暖炉から二階に消えて戻ってきててもわからなくね?
866:ねぇあたし、トイレの名無しさん 俺も865と同じこと思ったんだけど
867:実況班 >>865 赤様も最初そう考えた でも思い出して欲しい、暖炉はススだらけなんだぞ、赤様も自分の眼で見てそ う言ってる 黒が単独犯なら犯行時間は極めて短くないといけない 急いで行って戻るんじゃ服を叩く暇や手を洗う暇もないだろ 黒の服が不自然に汚れてたりしたら、あとの二人が不審がるじゃないか だから三人ともがグル。三人がグルなら犯行の時間はたっぷりあるし手を洗う 時間も問題ない。これが赤様の考えだ
868:ねぇあたし、トイレの名無しさん 理解
869:ねぇあたし、トイレの名無しさん 理解したわ
870:実況班 そんでもって次 その黒様殺し(?)なんだけど…え!?
871:ねぇあたし、トイレの名無しさん まじ?
872:ねぇあたし、トイレの名無しさん それいいの?え、ありなの!?
873:霧 でもこの屋敷の中には医者も警察もいない、探偵は素人だ 有り得ないとは言い切れないぞ…
874:ねぇあたし、トイレの名無しさん ちょ、実況班!動画見れないガラケーの俺に詳しく!
875:ねぇあたし、トイレの名無しさん 動画重くて止まってる俺にも詳しくううううっ!
876:実況班 ま、待て俺も混乱してんだ
赤様いわく、黒様の遺体発見時に黒様はまだ死んでなかった可能性があるんだ と! 理由は、最初に用具倉庫を開けた緑間が不自然なくらい取り乱して黒様の遺体 に縋ったあげく、すぐに赤様と鷹を階下に追いやったからだ だから赤様はあの時黒様の遺体に触れてない もしかしたら死んだフリだった可能性があるんじゃないかって!
877:ねぇあたし、トイレの名無しさん ま
878:ねぇあたし、トイレの名無しさん マジでかああああっ!?
879:ねぇあたし、トイレの名無しさん アリかそれっ!?
880:聖先輩 いや、有り得るぞその推理 多分赤司が直接触った遺体なら検死は誤魔化されない でもそうでないなら別だ
それに後から考えればあの状況で強引に黒子の遺体と二人きりになろうとした 緑間はちょっと不自然だったかもな
881:ねぇあたし、トイレの名無しさん 感情的になってるからだと思ってスルーしてたけど
882:ねぇあたし、トイレの名無しさん …言われてみれば変だったかも…な
883:実況班
赤「あの後、帰ってこない緑間を不自然に思って、日主将と青峰と鷹が二階を 見に行った。その時、緑間は姿を消していたと鷹は証言している」 アル「ええ、そうだったわね」 赤「そして日主将と青峰と鷹は、二階☆部屋の隣部屋のドアに魔法陣が書かれ ていることに気付く。アルルネシア、復唱要求。“隣部屋のドア及び窓は完全 に封じられていた”」 アル「いいわ、応じる。【日、青、鷹の三人が突入した際、☆部屋の隣部屋は 完全な密室だったわ。窓もドアも内側から鍵がかけられていた、赤で保証して あげる】」
884:ねぇあたし、トイレの名無しさん おい新たに赤来ちゃったぞ! 復唱終わりじゃなかったのかよ!
885:聖先輩@ウザい あー…あの女すげぇ気紛れだからなぁ… 「そんなこと言ったかしら?」とか屁理屈とかそんなんばっかだぞ昔から 激しくうぜぇ
しかしこの赤は貴重だな みんなメモするぞメモ
886:ねぇあたし、トイレの名無しさん しかし密室が確認されただけだろ どうやって中にいる月先輩殺すんだよ 外から密室が作れないのは赤で既に宣言されてるぞ
887:ねぇあたし、トイレの名無しさん つか 月先輩っていつ死んでたんだ? 直前まで隣部屋には何も無かっただろ それまで何処にいたんだよ
888:実況班 >>886−887 今それ説明されてる! 急いで書きためるから待っててくれ
889:ねぇあたし、トイレの名無しさん 了解!待機する
890:ねぇあたし、トイレの名無しさん 赤様の密室攻略に期待なう!
***
伊月俊の密室殺人の謎は、赤司にもずっとわからないままだった。勿論高尾、 日向、青峰の三人がグルになって密室を騙っていたならなんら問題はないのだ が。自分の推理ではこの三人は揃ってシロである。ならば嘘は吐いていないは ずだ。 ただし。嘘は吐いていなくても何かを見間違えたり誤解する可能性は少なか らずある。そして全ての観測者は自らの判断に基づいた主張を許されている。 騙されたことは嘘を吐いたことにはならない。【ノックス第九条。観測者は自 分の判断・解釈を主張することが許される】、だ。
「…まず伊月先輩について話そう。伊月先輩はいつ殺されたのか、だ。僕は伊 月先輩は八時になる以前に殺されていたと考えている」
赤司が思い出したのは、とある二つの赤だ。【一番最初の犠牲者は黄瀬涼太 ではない。】そして、【第一発見時、黄瀬涼太は既に死亡していた。】 黄瀬の遺体の第一発見者は黒子である。その時の姿は何人もの人間が確認し ている為、黄瀬の死より黒子の死が先ということは有り得ない。 では黄瀬より先に死んでいた犠牲者とは、一体誰だったのか?該当者は二人 しかいない。黄瀬以前に行方不明になっていた二人、伊月俊と紫原敦のどちら か片方。あるいはその両方だ。赤司は最後の可能性、“二人とも死亡していた” と考える。 「一階を探索しても二階を探索しても見つからなかった伊月先輩。なら何処に いたのか?遺体はそう何度も場所替えは出来ない。でも…《第一夜の最初の探 索、一階左廊下担当は黒子、緑間、火神。この三人がグルなら、一階左廊下の どこでも遺体を隠すことは可能だった!》」 「…へぇ?」 「黒子と緑間と火神が外に出るのが可能だったのは黄瀬の遺体発見時のみ。そ れ以外は赤で許されてないから外はまず有り得ない。でも隠し場所はもう一つ ある。《僕がタイムリミット間近で覗くまで、食堂の抜け道を視認したのは黒 子一人だ。抜け道に月先輩の遺体を吊して隠しておくことも不可能じゃな い!》」 どんな形であれ、伊月が抜け道を通らされた可能性は極めて高いだろう。彼 の服は煤で黒く汚れていた。ゆえにこの推理は【ノックス第八条・提示されな い手掛かりでの解決を禁ず】に抵触しない。彼の服の汚れには赤司自らの調査 で気付いた情報だし、くろちゃんねるにもその旨は明示してある。
「犯人グループの行動はこうだ。黄瀬の遺体を見つけた際、みんなが黄瀬の傍 に駆け寄った。最後に二階に残ったのは緑間と黒子だ。《黒子は自らの死の偽 装工作を行って自ら用具倉庫に入った。医者も警察もいない現状、血糊か本物 の血液かを判断出来る人間もいない、けして難しいことでは無かったはずだ》」
魔女を射抜く青き真実の矢が、アルルネシアに襲いかかる。しかしアルルネ シアは反撃することもなく、軽く後ろに飛んでかわしてしまう。重たいドレス を着てるくせになんて身軽なのだろう。 赤司は忌々しく思いながらも続ける。
「…やがて《緑間は何食わぬ顔で一人だけ皆と合流。それとなく、黒子がいな いことを示唆して、あわてたフリして二階へ飛んでいった》わけだ」
思えば黒子がいないことに最初に気付いたのが緑間だった。よく考えるとこ れも不自然な気がする。視野の広さに定評のあるホークアイを持つ高尾ではな く、何故緑間だったのか?何故高尾は見逃したのか? もし黒子が黄瀬の遺体発見時にはいて、玄関ホール最集合の際に消えたなら。 高尾がまずそれに気付いてもいいはず。それこそ黒子が自らの意志で応用型の ミスディレクションを発動したのでもなければ。
「そして二階を高尾と緑間と僕で探し。高尾が黒子を見つけるやいなや緑間は 取り乱して遺体を離さず、僕と高尾を階下へ追いやった。トリックを仕掛ける 為にね」
あの時緑間を一人にしなければ、なんて。今言ってもどうにもならない事な のだけど。
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捕殺して諭せよ。