【どうして】
嘘の儀式が本当になった?
【こんな事が】5
 
 
 
 
 
 暗めの青い短髪に、日焼けした肌。鋭い目つきに筋肉質な体の長身とくれば、
大抵のヤンキーは目も合わさずに逃げていく。いや、普段の青峰ならばそこま
で大仰な反応は返って来なかっただろうが今は別だ。なんせ今は機嫌が悪い。
非常〜に、機嫌が悪い。ヤンキーどころか一般人までもが道を開ける始末であ
る。
 
「…ったく」
 
 その反応が益々気に障り、青峰は舌打ちした。女はともかく、いい年したオ
ッサンまでビクビクしやがって情けないったらない。中身は子犬か?吠えるこ
ともできやしねぇのかてめぇらは?
 心の中でぶつくさぼやきながら歩き、辿り着いたのは“雷門中”と書かれた
校門の前だった。ここの生徒達の方が余程肝が座っている気がする。多くが物
珍しげに青峰を振り返ったが、ビビッている様子はない。危機管理能力に欠け
ているだけかもしれないが。
 
 高校バスケ界の新星、キセキの世代と呼ばれた五人のうちの一人−−“アン
ストッパブル・スコアラー”青峰大輝。
 
 青峰にとってこの学校は実に縁遠い“お坊ちゃん学校”だった。偏差値の高
い私立中学、バスケ部が強いわけでもなし(サッカーは全国区らしいが)。中
学時代に大会で一度当たったことがあったが、王者帝光にとっては足下を這う
蟻を踏み潰すようなものだった。文字通り瞬殺である。他の競技と違い、無失
点に抑えるのが極めて難しいのがバスケットだ。しかし帝光は無失点で、かつ
三桁の点を入れて雷門を完封した。あまりに手応えが無さ過ぎて逆に記憶に残
ったほどである。
 そう本来なら、こうして自分が門の前に立つ機会など無かった筈である。に
も関わらず青峰が今、此処にいる理由は二つだ。
 一つは自分と同じ“キセキの世代”の一人にして友人である黄瀬涼太が、あ
ろうことかこの学校発祥の謎の怪異に巻き込まれたから。腐れ縁のような間柄
だが、さすがに黄瀬を見捨てるほど青峰は冷酷ではない。ましてや、解決の為
に自分の力が必要とあれば尚更である。
 そしてもう一つは、その黄瀬と、キセキの世代幻の六人目である黒子テツヤ
の共通の友人が、今回の事件の被害に遭っているから。後者の理由だけなら上
手く言い逃れたかもしれないが(黄瀬と黒子にとっては友人でも自分にとって
は赤の他人だ)、あろうことは黒子は“ガチ”で自分にお願いしてきた。
 一度こじれた仲とはいえ、キセキメンバーでも一番近しい間柄だった黒子だ。
彼に本気でお願いされれば、いくら青峰でも多少の情は動く。しかもそれに加
えて黒子は“ガチ脅迫”をプラスしてきている。
 簡単に言えば。
 
『一度やってみたかったんですよね。人の顔面に、イグナイトパス・廻♪』
 
 と天使の笑顔でのたまったのだ。
 体格もなければ腕力もない黒子。しかし手首のスナップをきかせにきかせて、
全体重を乗せて放つイグナイトパス・廻の威力は−−正直、背筋が寒くなるも
のがある。しかもこの場合奴は間にボールを介す気などさらさらない。言う事
聞かなきゃダイレクトアタックで顔面にブチまかすと言っている。これが脅し
でなくてなんだろうか。
 おまけに、『赤司君が君に呪いのハサミを送りつけたいって言ってますけど
どうしかますか?』ときたものだ。キセキの世代・元主将の赤司征十郎が“普
通の人にない力を持つ魔術師”である事は、メンバーの間で周知の事実である。
加えて彼は黒子に甘い。甘いったら甘い。そんな赤司に呪いのハサミなど送り
つけられた暁には、どんな目に遭わされるかわかったもんじゃない。
 結果。青峰に、選択の余地など無かったのである。雷門中まで出向いて、黒
子に指示された仕事を全うする他は。
 悲しいかな、青峰の学校は都内であり、電車で一時間あればゆうに行ける距
離に雷門中はあったのである。
「青峰大輝さん、ですか?」
「あ?」
 気が乗らない。ああ気が乗らない。そう思いながら校門の前に立っていた青
峰は名前を呼ばれ、振り返った。
 いや、振り返ったというより見下ろしたというべきか。190cmオーバーの青
峰に対し、相手はあまりに小柄であった。
 
「あの…俺、神童拓人です。指揮者、って名前でオカルト版にスレッドを立て
たのは俺です」
 
 鼠色の髪のふわふわした髪に、同じ色の大きな瞳。中性的というよりまだ性
別の定まっていないような、実に幼い容姿の少年がそこに立っていた。女の子
が見れば“可愛い”と騒ぐかもしれないが−−とりあえず問題はそこではなく。
 
−−ちゅ…中学生だと!?マジか、マジでか!?
 
 我ながらキャラ崩壊を起こしかねない勢いで、目を白黒させる青峰。制服着
ているから中学生であることは間違いないし、小学生の時から身長がノンスト
ップだった自分と比べるのはお門違いかもしれないが−−それにしたって、小
柄すぎやしないだろうか。服装次第じゃ小学生で通りそうである。
 なのに。こんな少年が−−数々のスポーツの中でもハード極まりないという
か半ば格闘技と化している−−超次元なサッカープレイヤーなのだという。一
体世の中どうなってしまっているのだろう?
 
「あ…の?」
 
 青峰のびっくりしまくった様子に、戸惑うような顔をしてくる神童。子供、
を通り越してまるで小動物だ。そして不良じみた素行とはいえ元来青峰は女子
供に甘い質だった。僅か二歳差だと分かっていても、もはや神童は子供にしか
見えない。そんな相手を無意味に怖がらせるほど、青峰は精神的に幼くはなか
った。
 
「…悪ぃ。何でもね。そうだ、俺が青…青峰大輝だ。黒の奴から、どこまで話
訊いてんだ?」
 
 いつまでもワタワタと無駄に時間を浪費する事はない。青峰は深呼吸を一つ
して話を進める。
「えっと…名前を書かれた部員三人と黄瀬さんに、それぞれ一回ずつ儀式を試
す。その時、俺と青峰さんともう一人の方で立ち会う…ってことまでは」
「そうか。メンバーはみんな部室に揃ってんのか?」
「はい」
 どうやら少し遅刻したらしい。それで神童が校門まで迎えに来たのかもしれ
ない。ちょっと悪いことしたかな、と思って−−ん?と青峰は首を傾げた。
 
「待て。…俺と…もう一人?」
 
 他に誰か来るのだろうか。黒子か?しかし彼は今日来ないと言ってたような
−−青峰がそう言って首を傾げた時だ。
 
「キャプテン!」
 
 とたとたと駆けて来る足音。見れば二つの陰がこちらに走って来るのが見え
た。
 
「あ、天馬。すまない、そろそろそっちに行こうと思ってたんだ」
 
 神童が天馬、と呼んだのは小さな影の方。赤茶のくりくりした髪に、大きな
眼が特徴な少年だ。神童のような中性的さはないが、子供らしいという意味で
の可愛らしさは上を行くだろう。神童とほぼ変わらないくらい小さい。彼が、
黒の友人である天Mこと松風天馬か。
 そしてもう一人は−−と天馬の隣を見て。青峰は文字通りひっくり返りそう
になった。
「何で…てめぇがここにいんだよ、火神」
「るせぇよ」
 青峰とさほど変わらぬ大柄な青年−−火神大我は。青峰の顔を見るや否や、
あからさまに顔を歪めたのだった。
 
 
 
 ***
 
 
498:名無し学園の七不思議
そろそろ約束の時間だな…
 
499:名無し学園の七不思議
とっくに俺は全裸待機なうだぜ!(ドヤァ
 
500:名無し学園の七不思議
500げと
>>499
野郎の裸なんか見たくねぇんだよ、ほれ
つ 【ふりふりエプロン】
 
501:名無し学園の七不思議
ぶっwwwwwwwww
 
502:名無し学園の七不思議
裸見たくないてwww言っといてwww
裸エプロンとかどんだけwww
 
503:名無し学園の七不思議
おかげで紅茶がお亡くなりになったわ!
返せ俺の130円!
 
504:指揮者
今戻った
相変わらずここのみんなは楽しそうだな
 
505:名無し学園の七不思議
あ、>>1
おかえりー!
 
506:名無し学園の七不思議
 
507:名無し学園の七不思議
待ってたぜ>>1
さあ報告をはよっ!はよっ!(バッ
 
508:名無し学園の七不思議
儀式の準備はできたのか?
詳細をはよっ(バッ
 
509:指揮者
準備は終わってる
とりあえず、方角から見て一番良かったので、部室棟のうちセカンドチームの
ミーティングルームで儀式をやる事にした
 
今部屋には、俺と騎士Kと天Mと霧がいる。
一応三人のスペック上げておくな
 
騎士K
・中学サッカー部一年男子
 吊り目黒髪ポニテなイケメン。化身使いのFW。
 儀式で名前書かれた一人。
 
天M
・中学サッカー部一年男子
 くりくり茶髪の、イケメンというより可愛い系。化身使いのMF。
 儀式で名前書かれた一人。
 
・中学サッカー部二年男子
 ピンク髪のツインテ。本人は否定しているがどっからどう見ても男の娘とい
うか美少女にしか見えない。DF。
 儀式で名前書かれた一人。
 
510:名無し学園の七不思議
ぜ…
 
511:名無し学園の七不思議
全員スペック高杉だろおおおっ!
 
512:名無し学園の七不思議
イケメン爆発しろおおと思ったけどポニテ中学生可愛いから許すうううっ!
 
513:名無し学園の七不思議
くりくり髪の天Mタソハスハスハスハス
 
514:名無し学園の七不思議
男の娘キター−−ッ!今晩のおかずうううっ!
 
515:指揮者
(((( ;゜д゜))))
 
516:名無し学園の七不思議
おいおまいら…たぎるのは分かる、大いに分かる
しかし>>1がドン引いてるからそろそろやめような
 
 
ふぅ
 
517:名無し学園の七不思議
>>516がイケメソ…と思ったらおいwww
 
518:名無し学園の七不思議
一体>>516は誰で抜いたんだ…
 
519:名無し学園の七不思議
>>518
それは訊いたらアカン;;
 
520:名無し学園の七不思議
>>516、お前もか
 
521:指揮者
話しても…いいか?(´・ω・`)
 
522:名無し学園の七不思議
ハッ!
すまん>>1
 
523:名無し学園の七不思議
続けてくれ指揮者タソ!
 
524:指揮者
ああ…うん
 
とりあえず、詳しい説明は黄さん達にして貰おうと思う
残念ながら俺には幽霊とかが全然見えないんだ
知識もないし
 
525:名無し学園の七不思議
そうなのか…
そういやサッカー部メンバーは、霊感とかそのあたりどうなんだ?
 
526:名無し学園の七不思議
天Mも騎士Kは見えないつってなかったっけ?
 
527:
それについても俺が説明するッスよ
 
528:名無し学園の七不思議
あ、黄!
 
529:名無し学園の七不思議
お帰り黄(o^^o)
 
530:
ただいまッス〜(o)ノシ
さて、儀式を始める前に一言
 
 
なんでやる前から、すっげぇ視線感じるんスかねこの部屋…
 
531:名無し学園の七不思議
え?
 
 
 
NEXT
 

 

見えた、見エタ。