【仲間を】
嘘の儀式を終わらせろ
【助ける】4
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「な、何これ…!?
 
 天馬は思わず悲鳴を上げていた。自分の霊感などたかがしれたもの。本来な
ら幽霊を見ることもできず、なんとなく気配を察知するに止まる。それなのに
今、その声は天馬の耳にもハッキリと届いていた。そしてその光景も。
 グラウンドを取り囲むように。黒い靄がどんどん集まってきている。いや、
それはもはや靄というレベルではない。もっと濃密で、粘度の高い−−真っ黒
に濁った、汚泥のようなものだ。それが焔を囲む自分達のすぐ側まで迫ってき
ていた。もはや真っ黒でその向こうの校舎さえろくに見えない有り様である。
 悪意の汚泥からは声がしていた。悪意に満ちた数多の声だ。
 
『こいつら面白いんだけど!超ビビってるしぃ〜』
『ムカつくすっげムカつく』
『先輩命令がきけねーってのか』
『俺らはただ教育してやってるだけだろ、何が悪いんだよ』
『つまり自己チューDQNってことですねわかります』
『やっだキッタナイ顔ね〜すっごいブスじゃーん』
『きゃははははは!きゃははははは!』
『あんたマジウザいんだけど。さっさと死ねよ』
『土下座して謝れやksが』
『○○とか超調子こいてね?どうせそろそろキモオタにも捨てられんだろ』
『ブサイク集団まじ目障り』
『あいつが怪我してくれたら、あたしがレギュラーとれんのに』
『誰でもいいからブン殴りたい』
『これ本気にして死んだらマジうけるよな、どんだけチキンなんだっての』
『お前死んでも誰も悲しまないだろどーせ』
『消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消
えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消え消えろ消
えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ』
『腐女子みんなタヒね』
『この企画荒らしに荒らして滅茶苦茶にしてやろーぜ』
『あの先生さっさと流産しないかな…』
『お前がキモいのが悪いんだろ死ねや』
『あははははははははははははははははははっはははははははは』
『誰か死んだらおもしろくね?』
『もっといっぱい殺してくんねーかなこの犯人…』
『なんでこんな時間に電車飛び込むの?超迷惑なんですけど、死にたいなら夜
中にしろよバーカ』
『○○アイドルを全力で叩くスレ!ブログ荒らせ超荒らせ』
『ブチ犯して泣きわめかせたらスカっとしそうだなこいつら』
『学校が火事で燃えたら、行かなくて済むのにな・・・』
『明日はどうする?トイレの水でも飲ますぅ?』
『邪魔すんなウザイ邪魔邪魔邪魔邪魔』
『こっから面白いとこなんだよみんな死ねええええっ!』
『あんな女よりあたしの方が絶対絶対絶対絶対綺麗でしょふざけんな』
『あたしが一番あたしが一番あたしが一番あたしだけが一番他はみんなクズク
ズクズクズクズクズ』
『あんなゲロカス政治家さっさとやめさせろよ』
『こんだけ社会に迷惑かけといて家帰ってんじゃねぇよ死ぬまで仕事しろよ
jk
 
 小さな悪意から大きな罵倒に殺意まで。ありとあらゆる悪意を腐らせて、蛆
をわかせて放置したかのような−−そんな言葉の数々が、天馬の胸に突き刺さ
った。
 それらはけして天馬個人に対して言われたものではない。それでも、人間に
はこれだけの悪意が、狂気があると−−そう見せつけられたようで。あまりの
醜さに吐き気がしそうだった。
 分かってはいるのだ。逃げてはならない。これも間違いなく人間の一面。こ
れらの悪意の多くは自分も含めた誰もが持っているものだと言うことを。
 
−−俺にだって、闇はある。
 
 天馬は思い出す。フィフスセクターなんてなくなればいいと思った時。そこ
に確かに闇があった。あの時自分はただ自分と周りの人間の幸せしか考えられ
なかった。フィフスセクターにいた人達もまた何かを守っていたかもしれない
などとは、考えもせずに。
 他にもきっと。探せば無意識のうちに犯してきた罪が必ずあるのだろう。悪
意は人間の一部。必ず寄り添うものであることを、忘れてはならない。
 
−−だけど。悪意なんかよりずっと強いものを、人間は持ってるんだ。
 
 こっそり開いた携帯。くろちゃんねるにはたくさんのメッセージが書き込み
されていた。自分達を応援してくれるたくさんの人達の想いが。言葉が。
 悪意の思念達が畏れるほど美しいものが、そこには確かに溢れている。
 
−−だから、負けない。勝って必ず、黄瀬さんを助けるんだ。
 
 黒子の舞と歌が止まった。彼は黄瀬の携帯を操作すると、開いた状態で焔の
中に叩き込む。その瞬間、焔がまたひときわ高く上がり、一瞬白く輝いた。そ
して辺りのざわめきが大きくなった。
 
「う…わ…」
 
 奴らは一定距離以上には近寄れないらしい。だが黒い汚泥はもはやただの汚
泥ですらなくなっていた。にょきり、にょきりとあちこちから生える腕。腕の
隙間から見え隠れする目玉。いつの間にかたくさんの真っ黒な腕が、うらめし
そうにこちら側に伸ばされ揺らめいていた。ぎょろぎょろと蠢く目玉から血を
滴らせながら。
 
『消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ』
『お前ら邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔』
 
 呪詛の言葉を吐く悪意達。寒くてたまらない。吐き気がするほどの悪意が空
気をがつがつと食い荒らしてゆく。
 心が呑まれてしまいそうだ。全身の震えが止まらない。このまま此処にいた
らどこまでも蝕まれていきそうで怖い。怖くて怖くてたまらない。
 
「天馬!」
 
 その時、神童の声が耳に届いた。
 
「こんなものに惑わされるなよ!俺達なら絶対勝てる、そうだろう!?
 
 そうだ。畏れる必要ないではないか。
 自分達はちゃんと知っている。世界が醜いものばかりではないことを、美し
いもので溢れていることを。
 まだ付き合いの浅い自分達を命がけで助けてくれた黄瀬や黒子、青峰に火神。
見ず知らずの自分達を本気で応援してくれるスレッドの人達。そして共に立ち
向かってくれるサッカー部のみんな。
 自分は一人じゃない。それはとても、とても素晴らしいことだ。
 
「…はい!」
 
 天馬は用意していたボールを抱える。部室にあったボールの中でも一番年季
が入っているものを三国達に選んで貰ったのだ。前回剣城を助けた時と同じ。
長く使い込んだものには強い力が宿っている。
 そして化身や必殺技のエネルギーは、悪夢を打ち払うプラスのオーラに満ち
溢れている。それが十一人分集約すれば、とんでもないパワーになるはずだ。
 
「俺達は、負けない!お前らなんかに絶対…負けるもんかああああっ!」
 
 天馬はボールをトスして、思い切り蹴り飛ばした。左隣にいる神童に向けて。
時計回りに強烈なパスを回してオーラを貯め、最後の一撃で解き放ち−−本来
なら相手のディフェンスを吹き飛ばす為の必殺タクティクスだ。
 自分達の象徴、稲妻の名を冠したその技の名前は。
 
「食らえ!アルティメットサンダー!!
 
 
 
 ***
 
 
 
 
 
394:名無しさん、みぃ〜つけた
ほしゅ〜
 
395:名無しさん、みぃ〜つけた
この溢れる想い…天Mに届け…
 
 
 
 
hshsprpr
 
396:名無しさん、みぃ〜つけた
>>395
おまただの変態だろwww
 
397:名無しさん、みぃ〜つけた
>>395
変態乙
 
398:名無しさん、みぃ〜つけた
>>395
露出狂乙
 
399:395さん、みぃ〜つけた
え、俺いつの間に脱がされたの!?
返して俺の服〜!(ノ△T);;
 
400:名無しさん、みぃ〜つけた
400げと
 
>>399
つ 【海パン】
 
401:名無しさん、みぃ〜つけた
>>399
つ 【ゴーグル】
 
402:名無しさん、みぃ〜つけた
>>399
つ 【キティちゃんのうきわ】
 
403:399さん、みぃ〜つけた
またキティちゃんwww
今から泳ぎに逝けとwww俺の地元土砂降りなんだけどwww
 
404:名無しさん、みぃ〜つけた
wwwwwwwww
 
405:名無しさん、みぃ〜つけた
>>403
どんまいwww
 
406:名無しさん、みぃ〜つけた
しかし新スレ立てたのに随分進んだな
殆どメッセージと変態発言と雑談だけどwww
 
407:名無しさん、みぃ〜つけた
昨夜は結局指揮者達戻って来なかったな
 
408:名無しさん、みぃ〜つけた
まあ成功したにせよ失敗したにせよ、後始末大変だっただろうしな
 
409:名無しさん、みぃ〜つけた
きっと成功した!俺信じてる!
 
410:名無しさん、みぃ〜つけた
俺も!
 
411:名無しさん、みぃ〜つけた
俺も信じてるぜ!
 
412:名無しさん、みぃ〜つけた
信じてる奴挙−手ッ!
 
413:名無しさん、みぃ〜つけた
 
414:名無しさん、みぃ〜つけた
 
415:名無しさん、みぃ〜つけた
 
416:名無しさん、みぃ〜つけた
 
417:名無しさん、みぃ〜つけた
ノノノノノノノノノノノノノノノノ
 
418:名無しさん、みぃ〜つけた
 
419:名無しさん、みぃ〜つけた
 
420:名無しさん、みぃ〜つけた
ちょwww
417は何本手があるんだwww
 
421:417さん、みぃ〜つけた
>>420
友達とオールしてた!現在大人数で俺んちなうだぜ!
一晩みんなでずっと黒達応援してた!
 
422:名無しさん、みぃ〜つけた
>>421
さすがだぜおまいら!
 
423:名無しさん、みぃ〜つけた
大人数でオールだと…!?
 
 
 
 
 
 
 
リア友いない俺涙目
 
424:名無しさん、みぃ〜つけた
>>423
奇遇だな俺もだ…
 
orz
 
425:名無しさん、みぃ〜つけた
二次元の嫁ならいるんだけどな…
 
426:名無しさん、みぃ〜つけた
421…リア充め
 
(・д・)チッ
 
427:421さん、みぃ〜つけた
エエェェェ( ゜д゜)ェェェエエ
 
 
 
だがしかし全員男である
 
428:名無しさん、みぃ〜つけた
男だけでオールとかwww
 
429:名無しさん、みぃ〜つけた
ある意味切ねぇwwwwww
 
430:名無しさん、みぃ〜つけた
ある意味青春www
 
431:名無しさん、みぃ〜つけた
なあ、こんなグダグダ雑談ばっかなスレだけどもさ
少しは黒達の役に立てたのかな…
 
432:名無しさん、みぃ〜つけた
どうだろうなぁ…
 
433:名無しさん、みぃ〜つけた
役に立てたって信じたい
少なくとも応援する気持ちだけは嘘じゃないだろ
 
434:名無しさん、みぃ〜つけた
>>433
そうだな!
イケメン爆発しろとは思ったけどな!
 
435:名無しさん、みぃ〜つけた
>>433
だなだな!
黒含めカラフルズがことごとくイケメンっぽいのには腹が立ったけどな!
 
436:名無しさん、みぃ〜つけた
>>433
いえすいえす!
 
イケメンオカズにできる俺は勝ち組というわけだな!(ドヤァ)
青になら抱かれてもいい…
 
437:名無しさん、みぃ〜つけた
>>436
阻止
 
438:名無しさん、みぃ〜つけた
>>436
阻止
 
439:名無しさん、みぃ〜つけた
>>436
ツッコミどころが多いわwww
とりあえずお巡りさんこっちです
 
440:指揮者
ただいま
 
441:436さん、みぃ〜つけた
捕まったあああああっ!
 
 
 
ってえ!?
 
442:名無しさん、みぃ〜つけた
指揮者!?
 
443:名無しさん、みぃ〜つけた
お帰り指揮者ああああっ!!
 
444:名無しさん、みぃ〜つけた
良かった無事だったあああああ!!
 
445:指揮者
みんな、ありがとう
今からあの後の話を投下するぞ
 
 
 
NEXT
 

 

ぼくらは信じてる。