この話はフィクションかつ非公式です。 原作アニメ&ゲームとは一切まったく関係ありません。 というか、あったら困るから、ほんと!
稲妻だよ! 全員集合!! (まずタイトルが古いって? 仕方ないじゃん他に思いつかなかったんだもん BY管理人)
鬼道は憂鬱だった。 ものすごーく憂鬱だった。 隣では風丸が妙にキラキラした顔で“台本”とか書かれた紙を握っているし。 周りにはむっつりした顔やら不機嫌な顔やら訳が分かってない顔やら妙に黒笑顔 な顔やらがいっぱいで。 この場にいるのは十四人。鬼道、風丸、豪炎寺、円堂、吹雪、染岡、一ノ瀬、 佐久間、源田、グラン、ガゼル、バーン、デザーム、レーゼ。 敵味方ごっちゃまぜで、共通点なんかまるっきりないメンバーだ。それが何故 かこの会議室で、机を囲んで座っているのである。 ハッキリ言って空気が重すぎる。そして怖い。
「風丸…一体これは何だ。何が始まろうとしてるんだ」
ぶっちゃけ聞きたくない。でも聞かないと話が進みそうにないので、訊く。 すると風丸はさらって言い放ってくれた。
「暴露大会もといブチ撒け大会」
うわぁ。 響きからして、もの凄いイヤ。
「日頃の鬱憤を晴らすべく、秘密を暴露しまくったり不満をブチ撒ける会なわけ 。ただし、自分の秘密をバラせって言ってもバラす人はいないだろうから」
何やらみんなに紙と筆記用具を配っている。あーもう読めたぞこの展開。 逃げたいんですが駄目でしょうか。
「書くのは人の恥ずかしい秘密ね☆俺を一番楽しませた人が一等賞だから!!」
逃げたら殺します、と風丸の眼が言っている。 怖ぇ。ちょう怖ぇ。 「一等になったら何か特典があるの?もしかして最下位には罰ゲームがあるとか ?」 「はいグラン君、いい質問!」 わーグランの眼もなんか輝いてる!やめて下さいマジで!! 「一等の人は、一日主人公を円堂からブンどる事ができます」 「ちょっとぉ!?」 円堂がぎょっとした顔で身を乗り出すが、風丸は聞く耳持たず。 「で、最下位は一日、一等の人の下僕ね。パシリに使うもよし、SMプレイに使う もよし、何でもありです。うわぁい☆」 「「「うわぁい☆じゃねぇぇっ!!」」」 「何?何か文句でもあんの?二期ラスボスの風丸様に向かって?」
絶対零度、ブ リ ザ ー ド !! こうかは ばつぐんだ!! あのガゼルですら凍えてる。うわぁ。
マズい。非常〜にマズい。 一日主人公権はともかく(円堂には申し訳ないが)下僕だけは何としてでも避 けなければ!! ってか二期ラスボスって黒歴史じゃないのか!?開き直るなよお前!! 「俺が闇落ちしたのは元はといえば円堂のせいだからな。円堂が豪炎寺の心配し かしないから!!」 「何で聞こえてんの心の声!?」 あ、今豪炎寺が凄まじい勢いで円堂の後ろに隠れた。 やめてくれ、お前一応クールでカッコイイ系キャラで売ってんだから!!
「俺以外のここにいる全員強制参加だよ。匿名で構わないけど、書かなかかった のが分かったら無条件で最下位だからよろしく。どんな秘密が出てくるか楽しみ だぜ♪」
ようは風丸サン、アンタが楽しみたいだけですね分かります。 鬼道は頭を抱えて机に突っ伏した。 誰かバファ●ンをくれ、頼むから!
−−数分後−−
「さぁ、お楽しみの発表タイム!」
楽しみなのはアンタだけだってば、と内心呟く鬼道。 げっそりしてる一同をよそに、嬉々として皆の書いた紙を読み上げる風丸。
「えーっと何々… 『佐久間の携帯の待ち受けは鬼道の隠し撮り写真』 『豪炎寺はお化け屋敷で気絶した事がある』 『円堂に近付く女子は夏未が裏で手回しして遠ざけてる』 『マスターランクトリオの喧嘩の勝敗は、グラン六十勝ガゼル十二勝バー ン0勝』 『ゴーグル外して髪を下ろして私服着たら、鬼道は普通に女の子に見える』 『帰ったら窓から侵入したリカが部屋のクローゼットの中にいた。誰か助 けて!』 『雷門サッカー部部室とイナビカリ修練場には盗聴器と発信機が百二個。 仕掛けたのは音無』 『イプシロンの男性陣はマキュアのパシリと化している』 『バーンの部屋にはゴキブリホイホイが五十三個あるけど間に合ってない』 『ガゼルの部屋の設定温度はマイナス10℃』 『アツヤの字は円堂大介並に下手』 『士郎の甘党ぶりは異常。ケーキバイキングで、帰ってくれと店長に頭下 げられた事がある』 『音無に秘密がバレると、三十分で他校にまで知れ渡る』 『最近メインキャラなのに豪炎寺が空気。キャストクレジットに名前も出 ない回があった』 『雷門の七不思議の一つに、“風丸一郎太を怒らせると不慮の事故に遭う” というのがある』 …うーん、みんな思ったより普通だなぁ。つまんない」
「「「「どこがだ!?」」」」
全員立ち上がった同時ツッコミ!おお素晴らしい。 そして風丸、頼むから最後の一つを否定してくれ!!不慮の事故ってなんだ不慮 の事故って!!七不思議になるレベルなんかい!? 「何か枚数多いと思ったら、アツヤと士郎が別々に書いたんだ」 「おう!」 手を挙げるアツヤ。 うん、今はアツヤだな。髪が白っぽいし逆立ってるし金眼だし。
「ってか兄貴!俺の字んな汚くねぇぞ!!何勝手な事書いてんだよっ」 「汚いじゃない。僕読めないよ?」 「読めろよ兄弟なんだから!」 「関係ないし。アツヤだって何人の話バラしてるわけ?」 「事実じゃねぇか。あの店の店長半泣きで“二度と来ないでくれ”って土下座し てただろ」 「失礼しちゃうよなぁ。お客さんに対して」 「店内のケーキ全部消失させといて何を言う」 「ちょっとしか用意してないのが悪いよ」 「どこがちょっとだ!大体なぁ…」
…あのー。 頼むから一人兄弟喧嘩は…やめて下さい。顔やら眼やらがくるくる変わるとか 怖すぎる。端から見てるの相当ホラーな光景だぞ。
「風丸は退屈だとか言ったが」
源田が、胃薬を飲みたそうな顔でげっそりしている。 「どれもこれもツッコミ所満載で何から言えばいいのか分からん。そして匿名に してる意味があまり無いな」 「イプシロンのネタなんて間違いなくデザームだしな…。何、マキュアってあん たの事もパシるのか?」 「私自身はあまり。…というか私までパシリに使うと、マキュアの散らかし放題 の部屋を片付ける人間がいなくなる」 はぁ、とため息をつくデザーム。同情する、もの凄く。鬼道は内心で合掌した 。 帝国イレブンは基本みんなマメなので、部屋からゴキブリが沸くような事態は 無かった。掃除当番を徹底していたせいもある。 だが雷門に来てから、部室の汚さに卒倒しかけたものだ。転校初日に、風丸、 マックスと共に大掃除を敢行したのは記憶に新しい。
「ゴキブリといえば…」
皆の目線がバーンとガゼルに向く。バーンの部屋に大量にゴキブリホイホイが …というのを書いたのは十中八九ガゼルだろう。 「バーンの部屋はジャングルだ。三歩踏み出せば黒い物体と遭遇できる ぞ」 「や、やめろ!想像させるなっ!!」 ゴキブリホイホイが五十三個仕掛けてあっても追いつかないってどんだけヒド いんだ!! 「あと足の踏み場がないからな。たまにゴキブリじゃなくてバーンがホイホイさ れてる。…この間は剥がすのが大変だった」 「うっせぇよガゼル!」 思い出してか真っ赤になってバーンが吠える。 「てめぇの氷点下の部屋のが異常だっつの!!なんで凍え死なねぇんだ!!」 「零度超えたら暑くてたまらないじゃないか」 「病院行けやぁぁっ!!」 バーン、正論なり。しかしガゼルに喧嘩をふっかけるのはお勧めしないぞ、お 前の勝率の低さを考えると。 その秘密−−『マスターランクトリオの喧嘩の勝敗は、グラン六十勝ガゼル十 二勝バーン0勝』を書いたと思しきレーゼは、一人ツッコミを放棄して茶を啜っ ている。 こいつ、案外大物か?
「喧嘩はどうかおやめ下さい、バーン様ガゼル様」
みしり、と。彼の手の中で湯飲みが嫌な音を立てた。ドス黒いオーラを撒き散 らして低い声を出すレーゼ。凄い、マスターランクの二人がビビってる…!! 「だって迷惑なんですよ…。あんたらが喧嘩した後、毎回毎回面倒な掃除や事後 処理に走り回ってんの、私達ジェミニストームなんだよ…いい加減にしやがれ 馬鹿上司ども−−ッ!!」 「「ちょ…ま…ぎゃあああ」」
きらりーん。
怒りと共にレーゼがぶっ放したアストロブレイクで、ガゼルとバーンはお空の 星になった。
「はっ…し、しまった、ついやっちゃった…!」
我に帰ってか青ざめるレーゼ。
「壁にこんなに大きな穴が…!この会場レンタルなのに!!」
ああ、上司二人の心配はまったくしてないわけですね。 まああの二人は殺しても死にそうにないが。樹海を手ぶらで彷徨くぐらいだし 。 鬼道は呆れ果てながらも、再び暴露用紙を見る。佐久間の恐ろしいまでの信者 っぷり(後で携帯没収だ!!)とか、自分は女顔なんかじゃねぇ!!とか、いっぱい ツッコミたいところはあるが。 とりあえず一番重要そうな事だけ口にする。
「一ノ瀬…お前そろそろ警察に相談しとけよ…?」
リカの一ノ瀬ラブっぷりは公式で充分凄まじいが。 まさかストーカーの域に達していようとは。帰ったら自室のクローゼットて… 怖すぎる。 「無事だったのかお前…?」 「襲われかけて***されそうになったけど命懸けで逃げた…」 もーやめてー!!と一ノ瀬は半泣きだ。さすがに哀れに思ってか染岡が慰めてい る。 落ち込んでるのは分かるが伏せ字しなくちゃならないような単語は控えてくれ 。コレ一応、子供向けアニメのジャンルだからな? 「警察に言ったけど!鬼瓦刑事が大阪ギャルズに返り討ちにあったのに、俺に何 ができるって言うんだぁぁ!!」 「…もうSP頼んだ方がいいレベルだな…」 すまない。俺に出来る事は何もありそうに、ない。 とりあえず秘密ネタの中で、春奈と夏未の黒い噂は見なかった事にすると して(盗聴器なんて信じない…お兄ちゃん信じないぞ!)。 「さりげなく扱いが不憫だな豪炎寺…クーデレキャラの面影が無いぞ」 「俺の中の豪炎寺のイメージが…ううっ」 染岡がややマジで泣いている。気持ちは分かる、もの凄く。あの豪炎寺がお化 け屋敷で気絶とか、考えたくもない。 あとアニメで空気すぎるのは、もはや秘密でも何でもない気が。 噂の『円堂VS豪炎寺』回なんて完全にタイトル詐欺だったし。 豪炎寺の台詞数えるほどしかなかったしあの回。 無口設定だからって、メインキャラなんだからもう少し喋れ。ファンが泣くぞ 。
「その豪炎寺なんだけどさぁ…」
風丸の不機嫌極まりない声に、びくりと全員が反応する。 「何でいつの間にかいなくなってるわけ?」 「「「何っ!?」」」 本当だ、いねぇ!いつの間にか逃げてる!! さすが空気、全然気付かなかったぞ。 「決定だな。下僕は豪炎寺で決定。見つけた人が一日主人公!!」 「えー俺メリット無いじゃん!!」 「やだよ円堂君と一緒じゃなきゃ」 「最後の最後で危ない発言すんなグラン!!」 ぎゃいぎゃい騒ぐ面々を見て鬼道は思った。駄目だまともな人間いない。吹雪 はまだ一人喧嘩続行中だし。 マジで大丈夫かイナズマ?
終 わ っ て く れ。
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大丈夫じゃないのは管理人のアタマだと思う。
はい、思いつきでギャグを書いてみました。あー楽しかった(笑)
基本、よくネットで見かける“変態佐久間”が苦手な人間なのですが(すみません)。
隠し撮り写真を待ちうけにしてるくらいならやってそうだなと(やってないから!)。
煌は豪炎寺大好きです。でも最近の不遇っぷりはツッコまずにはいられない…(涙)
鬼道さんがたくさん喋ってくれるのは嬉しいんですけどね!今回もツッコミに回させて貰いました。
ちなみに我が家の鬼道さんと春奈ちゃんは、見事なシスコンブラコンコンビです。
春奈ちゃんはイナビカリ修練場にもキャラバンにもいっぱいいろんなものを仕掛けてたら楽しいっす。