楽園への扉楽園。それを聞いて、あなたはどんな楽園を思い浮かべるだろうか。花が沢山咲いていて、目を疑う様な星空で、長いテーブルの上には、色とりどりのお菓子が並べられている…。もし、楽園に行けるのならあなたは行くだろうか?…例え、大切な物と引き替えてでも?この話は、謎の楽園へやって来た、5人の少年の物語である。***「楽園に行くのですか?」何処からともなく、男の声が聞こえてきた。「楽園…?」少年はそう呟くと、その場で考え込んだ。「ええ。とても素晴らしい所ですよ。」少年は言った。「其所に行けば、今より強くなれるのか?」「さあ…どうでしょうか。何か大切な記憶と、引き替えるのなら、あなたは今よりももっと強くなれるに違いありません。」「大切な記憶…?」「何でもいいのです。大切な記憶なら、何でも。」そして彼は、ある記憶と引き替える事を決心した。「俺の大切な記憶…楽しかったあの頃の記憶と、引き替えて欲しい。」謎の声は、しばらく黙り込んだが、「いいでしょう。さぁ、楽園の扉を開け、強くなる為に行きなさい。」と言ったのだった。―楽しかったあの頃には、もう二度と戻れないだろう。今は、目の前にいる敵を倒し続けなくてはならないんだ…。静かに開いた、楽園の扉。緑川リュウジは、少し戸惑いながら、楽園に足を踏み入れたのであった。***「楽園に行くのですか?」何処からともなく、男の声が聞こえてきた。「誰だ?」彼は、男の声に怪しんでいる様子だった。「ご心配なく。私は楽園への案内人ですから。」彼は、黙ってしまう。「おや?あなたは、強くなる為に、此所へ来たのではないのですか?」「強くなる為だが。」「そうですよね。だって、この楽園の扉は、強くなりたいと望む者だけに開くのですから。ですが、この先へ行くには、何か大切な記憶と引き替えなければならないのです。」彼は、引き替える記憶を決めた。「私の…大切な人と過ごした日々の記憶と引き替えてくれないか?」「大切な人…それは一体誰ですか?彼女、」「関係ないだろう。」冷たく言い放つ。「失礼致しました。さぁ、楽園の扉を開け、強くなる為に行きなさい。」―私の記憶からあなたがいなくても、あなたは生きている…。それならば、記憶消しても後悔はない…。 静かに開いた、楽園の扉。砂木沼治は、やや寂しげな表情をしながら、楽園に足を踏み入れた。***「楽園に行くのですか?」何処からともなく、男の声が聞こえてきた。「そうだよ。」その少年は、明るく答えた。「もっと強くならなきゃ駄目なんだ。一刻も早く。敵は、どんどん強くなっていく一方だからね。もたもたしていたら、倒されてしまう。」「そうですか。でも、楽園に行きたいのなら、大切な記憶と引き替えなくては…」「わかってる。」その少年は、あっさりと言った。―今、自分に優先される事は、強くなる事だ。その為には、大切な物を失ったって構わない。もちろん、記憶だって。「姉さんと過ごした記憶と引き替えてくれるかな?」「了解しました。さぁ、楽園の扉を開け、強くなる為に行きなさい。」―姉さん…僕は行くよ。きっと、次に皆と試合する時は、僕達は強くなっている筈だよ。もっと強くなって、姉さんを驚かせてみせるさ。静かに開いた、楽園の扉。基山ヒロトは、口元に笑みを浮かべながら、楽園に足を踏み入れた。***「楽園に行くのですか?」何処からともなく、男の声が聞こえてきた。「当たり前だろ!早く、楽園に行かせろ!!」「待って下さい。今すぐにでも、行かせたい気持ちですが、楽園に行くには、大切な記憶と引き替えなくてはならないんです。」「何でだよ!?」その少年は、男に噛みつく様な勢いで言った。男は少々たじろぎながらも、話を続けた。「何でと言われましても…。でも、引き替えないのなら、あなたは強くなれないままですよ。」そう言うと、急に少年は静かになった。「何でもいいのか?」「はい。」「だったら、昨日までの俺の記憶と引き替えてくれるか。」「かしこまりました。さぁ、楽園の扉を開け、強くなる為に行きなさい。」―楽園に行けば、俺は誰よりも強くなれる。昨日までの俺は、楽しい日々を過ごしていた。けど、昨日まではとても弱かった。でも、俺がもう弱いなんて事は、絶対ない!!静かに開いた、楽園の扉。南雲 晴矢は誇らしげに、楽園に足を踏み入れた。***「楽園に行くのですか?」何処からともなく、男の声が聞こえてきた。「あぁ。」少年は静かにそう言った。「楽園に行けば、どんなに弱い者でも強くなれると聞いた。それは本当なのか?」「本当ですよ。私は嘘なんて言いません。でも、楽園に行くには、あなたの大切な記憶との、引き替えをしなくてはなりません。」「記憶か…。」「どうですか?」かなり長い時間、沈黙が続いた。少年は、静かに口を開いた。「親友逹と過ごした日々の記憶と引き替えてくれ。それで大丈夫か?」「ええ、もちろんですとも。さぁ、楽園の扉を開け、強くなる為に行きなさい。」―仲間と過ごした日々は、楽しい日々ばかりだった…。自分にとって、大切な宝物だ。でも、今は仲間と過ごした日々を懐かしんでいる時間はない。今は、雷門を倒す事が先だ。静かに開いた、楽園の扉。涼野 風介は、後ろを一旦振り返ると、すぐに前を向いて、楽園に足を踏み入れた。***その後も…沢山の「強くなりたい」と願う者が、記憶と引き替えに、楽園の扉を開けて、中へと入って行った。引き替えた記憶のほとんどは、友人、思い出、親と過ごしたわずかな日々であった。私が、何故記憶と引き替えに、楽園に入らせる事を許可したのか、例えば、何か目標があるとする。その目標を達成する為には、何かを犠牲にしたって構わないのではないのか…?かと言って、命を奪うだなんて、死神の様な事は出来る筈が無い。命奪ってしまったら、彼らは敵を倒す事なんて出来ないのだから…。その後、楽園に入った者がどうなったのか…。私の知る限りでは、楽園にある、謎の石を使って、絶大な力を手に入れたとか何とか。敵との闘いも、どうなったのか…?私は、何も知らないのです。END |
静かに、祈る声は誰のものか。。
BGM 『君だけの真実一つ』
by Hajime Sumeragi
めめ様からフリリクでいただきましたー!「エイリアキャプテンズでCPなしシリアス」です。
煌、めめ様の作品が大好きでして。相互記念リクとはまったく別方向のめめ様作品を読んでみたかったのですよ…!
バッチリ応えて下さっためめ様に大感謝!調子こいて勝手にBGMつけてアップしてすみませ…!(また本館サイトの古いブツかよ)
楽園への案内人が研崎に思えて仕方ないのは私でしょうか…?実際彼はエイリアの子供達の力への案内人だったわけですし。
そこに立つため、大事なものを犠牲にするしかなかった子供達。それを想うと涙が止まりません…。
めめ様、本当にありがとうございました!!