い出の写真
 
 
あの事件が終わってから心機一転ということでみんなでお日様園の掃除をはじ
めたそのとき
「これなにかしたら」
押入れの奥底からダンボールが出てきた
床に置き丁寧にガムテープをはがして中を開けてみると
「あらっ懐かしいこんなところにあったのね」
中に入っていたのはいろとりどりの分厚い本いやアルバムだった
ダンボールは実は1つだけではなくていくつかあった
背表紙には年月日が書かれていて
写真1つ1つに名前やコメントが書かれていた
それはここに預けられてからの成長記録があった
1つ手に取ると1ページ1ページをめくっていく
たくさんの小さな子供囲まれている治の写真
まだここに慣れていないときのリュウジの写真
喧嘩をする晴矢と風介の写真
サッカーボールを大事そうに抱えるヒロトの写真
笑顔も泣き顔も困り顔も怒り顔も全てがこのアルバムにつまっている
「本当にこの頃は楽しかった」
 
「治君また本読んでるの?」
「はい、面白いですよっ」
パシャリ
「最近写真凝ってるんですか?」
「えぇみんなの成長の記録だからねっ」
なんて会話をしていたら
『治お兄ちゃーん』
「んっ」
ふと後ろを振り向くと
お日様園の小さい子たちが飛びついてきていた
「うわっ〜!!」
『遊ぼう!!』
「わっわかったわかった」
パシャッ
「なに撮ってるんですが瞳子姉さん」
「記念よっ治君は本当に小さい子に人気ねっ」
小さい子にもみくちゃにされてる治を嬉しそうに見つめる瞳子だった
 
「リュウジ〜そんなところいないでこっちで遊ぼう」
遊具の後ろに隠れているリュウジを手招きしている大夢
「大夢どうしたの?」
「瞳子お姉ちゃん、リュウジが遊具の後ろに隠れて出てこないの」
見てみると遊具に隠れてこちらを見ているリュウジがいた
パシャリと写真を撮った、ビクッと肩を震わせたのがかわいくて笑ってしまった
「リュウジ君」
「……」
「ここは安全だから出ておいで」
「そうだよっいっしょに遊ぼう」
大夢がテコテコと近づきリュウジに手を伸ばした
「……うん」
手を掴みにっこり笑った
パシャッ
「いい笑顔の二人」
 
「なんだと風介!!」
「晴矢が悪い!!」
部屋中に響き渡る
パシャリ
ちょっと困り顔でいつものようにカメラに写真を収める
「二人とも今度はどうしたの?」
『あっちが悪い』
いつものことなので小さくため息をつきながら笑う
「ほらっいつまでも喧嘩してても仕方ないでしょッ」
膝を折り二人と目線を合わせ肩に手を置く
『でも』
「お日様園のみんなは家族なの、その家族が喧嘩してたら悲しいな」
『……』
二人は顔を見合わせ一瞬下を向いたが
『……ごめん』
「二人ともいい子ねっ」
ギュッと二人を抱きつく瞳子
そしてその写真もちゃっかり子供たちによって撮られている
 
「姉さん見てみて」
「どうしたのヒロト?あらっサッカーボール」
「父さんが買ってくれたんだ」
ギュッと真新しいサッカーボールに嬉しそうに頬を寄せるヒロト
パシャリ
「いい笑顔、よかったはねっ」
頭を撫でながらそういうと先ほどまで嬉しそうだったヒロトがしゅんとなった
「でも……玲名がねっまたヒロトばかりずるいって」
「そう、じゃあみんなでそのボールでサッカーしたらどう?」
「みんなで?やってくれるかな」
「大丈夫よ、みんなサッカーが好きなんだから」
行っておいでと背中を押してあげる
「……うん」
ヒロトは少し心配そうにこちらを見たが決心したようにみんなのもとに走って
行った
パシャリ
「ヒロトがんばれ」
 
「おもえば本当にたくさんのことあったはねっ」
横には見終えたアルバムが山になっている
子供たちは一日一日が輝いていてとても素晴らしい日々を送っていた
そうあのことがあるまで
「瞳子さん?」
「あらっ治君」
扉が開き、治君が入ってきた
「なにをしてるんですか?」
「アルバムよっ押入れの奥に入ってたの」
後ろから覗きこんできた治君にアルバムを一冊渡す
「懐かしいですねっ」
「えぇ、だから思わず見入ってしまったは……」
「……」
「本当にあの頃は楽しかったはねっ」
「たたしたちは今でも楽しいですよっ」
そんな声に後ろを向く
「あのことがあって悲しいこともたくさんありました……けど」
遠くからたくさんの声が聞こえる
 
「リュウジそっち持って」
「これ大夢」
「うん、いくせーの」
リュウジと大夢が協力して荷物を運んでいる
 
「風介てめーなにしやがる」
「そこにいる晴矢が悪い」
『まーまー二人とも』
晴矢と風介の喧嘩を周りの子たちが止めている
 
「玲名……これどこだっけ?」
「……それはあっちの部屋だ」
「ありがと」
今でもまだぎくしゃくしているが少しずつ仲良くなりかけている
ヒロトと玲名
 
「けど、全て元に戻りますよ」
「……」
「ここはみんなのお日様園でたくさんの思い出がある家なのですから」
笑う治君を見て
「えぇそうねっ」
すっと立ち上がりダンボールから見つけたものを手に取る
「みんなー写真撮りましょう」
『?』
「ほらほら早く思い出作らないと」
明るい声にみなお互い顔を見合わせいたが
『はーい!!』
元気よく返事をし一箇所に集まる
「みんないくはよ」
セルフタイマーにして治君の隣に行く
「ありがとうねっ治君」
「えっ」
パシャリ
そのつぶやきはシャッターの音にかき消されたのかはそれは二人にしかわから
ない
ただ1ついえることは新しいアルバムを作ろう
新しい思い出を作ろう心機一転
アルバムの表紙は太陽とひまわりがついてるアルバム
背表紙に今日の日付を入れ、1ページ目に写真を貼る
その下に日付を入れて一言書く
family”と
そして本棚に入れる
色とりどりのアルバムたち共に
 
 
 

 

もう一度、家族として。

 

◎▲×●○〜!!(言葉になってない)…すみません落ち着きます。だってもう幸せすぎて…!

瞳子さんのお話が読みたい〜!瞳治好きなのよ〜と騒いでクウ様に泣きついて強奪してしまいました。

クウ様、煌のワガママ&無茶を聞き届けて下さって本当にありがとうございます…!

ちょっぴり切なくて、でもほのぼのとした温かみがある場所。それがお日さま園。

何もかも割り切るにはまだ時間がかかるけれど、一歩一歩、なくしたものを取り戻しつつある子供達。

何より明るくて幸せな瞳子さんが見れて煌はもうお腹いっぱいです。しかも瞳治の絡みまで…幸せで死ねる。

素晴らしい小説を本当にありがとうございましたクウ様っ!!こっちのリクが遅れててほんとすみませ…!!